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地方障害者の労働とサテライトオフィス雇用

POST DATE:2017年12月22日

障害者の就労意欲は近年急速に高まっている。

障害者雇用促進法の法定雇用率において、民間企業に対して雇用する労働者の2.0%に相当する障害者を雇用する、という事を義務付けていますが、現実的には様々な課題が多く残されており、就労できない障害者の方が数多く存在しています。

問題としては、障害者雇用を行っている規模の企業が通勤可能な範囲内に無い、という事であり、問題そして課題として大きな一点であると言えます。

法定雇用率の対象となる民間企業は従業員50名以上の企業であり、都心部ならば該当する企業も多く存在しますが、地方では小規模の会社が多く、障害者の方が労働意欲を持っていても、障害者雇用を行っている企業の存在が少数になっているのが実態。

また地方の企業は、働き方改革のテーマとなっている少子高齢化による労働人口の減少に悩まされている企業は多いものの、小企業が多いことから法定雇用率に対する意識を必要とはしない為、これも地方の障害者が働ける企業が少数しかない要因の一つとなります。

そこで今後、地方の障害者の期待とされるのが、大企業が集中する都心部の法定雇用率の対象となっている企業と共に推進していく「地方での障害者特化型サテライトオフィス」の展開です。

現在、サテライトオフィスを展開している企業はかなり増えては来ているものの、本社と同じ都心部でのサテライト化を行っている企業が多く、地方でのサテライト化はまだまだ充実しているとは言えない状況です。法定雇用率の対象なる都市部の大企業が地方へのサテライトオフィスを展開することで、地方の障害者の就職率の上昇が期待できます。

但し、それだけでは地方の労働意欲を持っている方の、全ての就職場所の確保までは届きません。現在の民間企業の法定雇用率は2.0%であり、50人規模のサテライトオフィスを展開しても1名の障害者の雇用枠しか発生しない為です。

2%の枠に捉われず障害者がメインとなるサテライトオフィスの展開により、飛躍的に障害者の雇用率が上がります。つまり、義務として障害者を雇用するのではなく「戦力」として障害者を雇用する時代が拓かれるわけです。

障害者特化型サテライトオフィスを、大企業を対象に義務化・制度緩和などを実行すれば、飛躍的に障害者の雇用先が増えることになります。

しかしこの場合、サテライトオフィスを展開する企業の負担が相当大きくなるのではないか?という課題や疑問があります。

まずは、設備面。

当然ながら通信設備が必要となり、費用面の負担が相当なものになります。

この課題をクリアする為には、国の支援が必要となり、義務化と同時にして、企業への支援金が必須と考える意見もあります。

次に勤務する方たちの管理方法。

近年個人の価値観が多様化する中、契約社員、フリーアルバイター、フレックスタイムと多様化する中で、企業はその管理能力を付けなければなりません。これには一定の期間が必要となりますが、働き方改革の少子高齢化、労働人口の減少の観点から見ても迅速に進めていく必要があります。

その為には、企業内の管理能力に対しての人材育成が急務です。

法定雇用率の対象企業は社会的責任の観点から見ても、地方の雇用、特に障害者雇用に目を向け、障害者特化型サテライトオフィスの設置をするべきであり、ある程度時間がかかるとみられる、管理者の人材育成を現段階から行うべきです。

民間企業について記載しましたが、早い段階から準備が必要となるサテライトオフィスの管理者育成は、地方自治体や教育委員会等、その他の法定雇用率が適応されている団体も、早急に実施するべきと考えます。

これらのことから、【中間就労(就労継続支援事業所など)】【障害者雇用】【在宅就労】の3つを障害者当事者自身が選択でき、かつ自分自身の社会的な存在価値や存在意義を感じられる機会を増加させることが重要であると断言できる。

この業界をより良くするためには、リーダーは必要かもしれないが、一匹狼ではダメ。

ヴァルトジャパンはこれらを実現させるために、あらゆる企業、障害者施設、業界団体、行政(地方自治体)、そして障害当事者の方々と共に事業を展開していきたいと強く願っています。

障がい者の雇用における”選択肢”と”機会”を考える

POST DATE:2017年12月02日

近年では、法定雇用率に精神障がい者も含まれるようになり、一般企業でも障がい者の雇用が進みつつあるように感じる。しかし、中には法定雇用率を達成しなくても、罰金を支払えばよいだけと考えている企業もあるのも実態。一部の意見ではあるが、こうした企業に対しては罰金だけではなく、法定雇用率未達成企業として、国による公式的な公表も必要なのでは?との声も聞こえる。

当然ながら、企業には企業の考え方や課題などがあり、一概に”企業が悪い!”と断言するのは難しい点があるのだが、当事者の率直な声は「企業には是非とも、社会的責任を果たしてもらいたい」であり、その想いは心からの願いであったりもする。

さて、障がい者といっても、経歴や技術などは健常者と変わらない良いものを持っている人はたくさんいる。特に、精神障がい者については一般企業に就労後、発病することも多々あり、技術的には問題ない人がたくさんいると思う。

しかし、精神障がい者は疲れやすかったり、物事を気にしすぎる傾向にあるため、長時間労働にはむいてない気がする。そのため、働き方改革として障がい者にもフレキシブルな勤務を認めるなどして、その人その人が働きやすい環境を皆で作り上げていく必要がある。もし、それがだめなら何人かで1つの仕事を分担し、休憩しながら交代で仕事をする方法もありだと思う。特に、工場などでは有効な手段ではないかと思う。

上記のことをふまえ、無理なく1人1人が仕事をし社会貢献していく方法を考える必要がある。その一つの方法が障がい者特化型のサテライトオフィスであると思う。これは障がい者のみが出勤できるオフィスのことである。当然、障がい者のみが出勤できるオフィスということは、導入時は健常者の人に仕事のきりわけをしてもらい健常者の人の仕事を与えてもらうなどの苦労はあると思う。

しかし、それも最初だけだと思う。なぜならば、その分マニュアルなどを充実させ、誰でもわかるようにさえしておけば障がい者でも仕事が覚られ、最終的にはその人がいなくては困るという”戦力的人材”に成長していけると思うからである。
ただ、できないことも当然ある。
緊急の事態などの時は窓口を設けるなどして配慮してあげることも必要であると思う。要するに1人1人が輝いていける職場こそサテライトオフィスの狙いである。

サテライトオフィスができない場合には、似たようなものだが障がい者就労継続支援A型というものがある。これは、障がい者自立支援法の中のサービスの一つで、障がい者は最低賃金が保証されながら働ける仕組みである。近年では、企業が就労継続支援A型を経営(市場参入)する事業所も増え、市区町村からサービスの対価として給付金をもらいながら障がい者に就労環境・就労支援というサービスを提供している。提供された給付金を障がい者が仕事をするための機械代にあてたりすれば仕事もできるし、売り上げも上がる。

当然、就労継続支援A型を企業がするためには、企業としての収益構造、仕事があることが必要最低条件ではあるが、これされクリアしていれば、給付金をもらいながら、障がい者の働く場所を提供していくことも可能である。

また、就労継続支援A型は企業側にとっては障がい者の特性を把握することができるなどのメリットがある。その理由として、そこにはサービス管理責任者などの専門知識を持った職員を必ず配置しないといけないからである。
当然、就労継続支援A型はサテライトオフィスに移行するまでの前段階である。なぜならば、税金(社会保障費)を使わずに企業が自らの収益で障がい者を雇用することが一番良いと考えるからである。

以上のことをまとめると、企業は社会的責任を果たす必要があり、その中の一つに障がい者の雇用があり、障がい者が働きやすい環境を企業が提供する必要がある。その方法の一つとして、障がい者特化型のサテライトオフィスなどがあり、まさに障害者にとっては”選択肢”の増加と”個人の存在価値””個人の存在意義”を強く感じられる”機会の増加”が、目の前にあると言える。

障害者特化型サテライトオフィスの必要性とは

POST DATE:2017年10月25日

<執筆:在宅障害者チーム>

障害者特化型サテライトオフィスの必要性とは

 

2020年東京五輪に向けて東京都では、交通渋滞や満員電車の解消を促しています。その方法として会社に出社するのではなく、都心から離れたサテライトオフィスに行き仕事をするという遠隔勤務という出社の形である。

 

このサテライトオフィスを利用することによって、都心まで行かなくても仕事ができることになるので、東京都の交通問題の緩和や国が推進している働き方改革にも繋がることにもなる。海外でもサテライトオフィスを利用している企業は多く存在しており、まだまだこの動きは進んでいくと言われている。現在の日本でもサテライトオフィスを利用している企業も増え始めているがまだ浸透しきれていないのではないのかと考えられる。

 

そこで私たちは『障害者特化型サテライトオフィス』を開始し推進する。文字として記されている通り、障害者専用のサテライトオフィスであり、企業に出勤することで発生してしまうストレスなどがなくなることで、働きやすい労働環境が実現されると考えている。また精神障害者の離職率軽減にも繋がると確信している。では何故そこで障害者を取り上げるのか。

 

それは社会問題の一つである、労働人口減少による『人手不足の解消』にある。

 

現在日本の労働人口は減少傾向にあることは周知の事実であろう。ただでさえ労働人口が減少しているのにも関わらず、少子高齢化により退職する人材が多くなってしまい、どの企業も人手不足で外国人を雇用するなどして少しでも人手を確保しようと必死である。しかし日本にはまだ潜在的な労働人材が多くいることを忘れてはならない。その一例として障害者であろう。

 

では日本にはどの程度の数の障害者がいるのであろうか。

 

平成28年版障害者白書の参考資料、障害者の状況(基本的統計より)から抜粋すると以下のような数字が見て取れた。

 

◆平成23年時の値

〇身体障害児・者(在宅):約386万人

〇知的障害児・者(在宅):約62万人

〇精神障害者・外来:約361万人

 

上記のように日本の障害者の数はこれほど存在しているのである。その中でも働き方改革によって2017年4月に障害者雇用促進法の改定で新たに精神障害者が法の適用範囲に入ったことから、企業は法定雇用率を達成するために精神障害者の雇用機会はこれから多くなっていくと考えられる。

 

こういったソーシャルビジネスとCSVがもたらす相互作用は未知数だと言っても過言ではないだろう。そのため障害者特化型サテライトオフィスの存在は非常に価値あるものとなっていくだろうと確信している。障害者特化型となっているのは当然だが、健常者用のサテライトオフィスでは対応ができないことが多分にあるためである。

 

その理由として以下のようなことが考えられる。

 

精神障害者の難敵ともいえるのが『ストレス』である。この目に見えない存在は、外的な要因でも内的な要因でも精神障害者には相当な負担になり、身体に様々な症状を引き起こし酷い場合にはその症状によって寝込んでしまいかねない状態になってしまう。そこで精神障害者へのストレスフリーな空間創りというのが課題になる。

 

筆者として考えられるものがあるとすれば以下のようなものであろう。

〇仕事をする場には精神的に落ち着く状態を提供する

〇カウンセラーなどのサポートスタッフの常駐や体調不良時の休憩スペースの確保

〇障害者同士のコミュニティの場の提供

 

非常に漠然としているが、今すぐ思いつくのは上記のようなものだろう。今後、障害者を交えての議論を行なっていくことでより良いサテライトオフィスとして提供できることになるはずである。

 

こうしたソーシャルビジネスとCSVの相互作用は、これから企業が取り入れるべき課題として十分な理由があるだろう。精神障害者は人材としての価値も高く、戦力としても申し分のないスキルを持っている者も多い。企業としては法定雇用率の達成の方を気にしているかもしれないが、精神障害者が戦力として欠かせない存在となれば、働き方改革としても企業の経営戦略としても大成功となるはずだ。そうなれば障害者へ向けられる目も良くなり、社会全体が健常者と障害者の枠組みとしての関係が良くなることを期待していきたいと思う。

障害者雇用とCSV(Creating Shared Value)がもたらす相互作用とは

POST DATE:2017年11月02日

<執筆:在宅就労チームの声>

2017年4月から働き方改革の一環として障害者雇用促進法(以下、雇用促進法)が改定され、精神障害者が新たに雇用対象として加えられた。それに伴って平成30年4月からは企業に求められる障害者の法定雇用率も上方修正される見通しだ。つまり、企業で採用される障害者がさらに増加していくということになり、減少している労働者人口や企業の人材不足といった社会的な問題の解決に繋がるのではと期待されている。

 

こうして新たな働き方改革によりソーシャルビジネスに注目が集まる中、2011年に米国ハーバード大学ビジネススクール教授のマイケル・E・ポーター氏などが提唱したCSV(Creating Shared Value)という経営戦略の概念が注目を集めている。

 

CSVとは何かという話の前に、CSRという経営戦略の概念を説明しなくてはならない。何故ならCSVとはCSRという概念が存在していたからこそ生まれた新しい概念だからだ。

 

ではCSR(Corporate Social Responsibility)とは何か。

 

CSRとは一言で言えば『企業の社会的責任』を経営戦略の概念としたものだ。しかし、社会貢献活動や慈善活動などがCSRの概念であると理解されて来たためか、根本的な企業の事業活動自体に直接的な結びつきが薄く経営戦略となり得なかったとマイケル・E・ポーター氏は提起している。このような経緯があり、CSVという新しい経営戦略の概念が生まれたのである。

 

ではCSVとは何か。

 

CSVは『共通価値の創造』を概念としたものだ。従来のCSRでは善行的な社会貢献活動が企業の事業活動と結びつかないという限界を踏まえた上で、さらに【社会的な課題の解決】と【企業の競争力の向上】を同時に実現しようというものである。

 

このようにCSVが提唱され現在注目されているのは、上記にもあるが働き方改革により新たな雇用の存在と企業競争力が向上すると考えられるからだろう。であれば障害者雇用のソーシャルビジネスとCSVという概念は正に相性としては抜群であるはずだ。企業にとって未発達且つ成長性のある市場と考えられる障害者雇用の市場をいち早く注目するのは必然であろう。

 

では障害者を雇用するためにはどのような環境が望ましいのか。

 

障害者と言っても様々な状態の者がいるが、ここでは新たに雇用促進法で対象になった精神障害者に注目してみる。

 

精神障害者を新たに採用し雇用をするとなれば、一番初めに頭に浮かぶのはテレワーク(自宅勤務)やサテライトオフィス(遠隔勤務)であろう。精神障害者と呼ばれる多くの者は、会社で働くことのストレスに弱いことや会社通勤ができないなど社会の色々なストレスを過敏に反応してしまうからある。ならば、そのストレスを少しでも感じさせないように仕事ができる環境が望ましい。その面で言えばテレワークが一番ストレスなく仕事ができるであろう。

 

次に考えることは、精神障害者の状態次第ではサテライトオフィスでの仕事がより良いのではないかという考えである。何故なら仕事をする上で多少なりとも緊張感を持つことは、集中力を増しより良い仕事を行なえるのではないかという考えからだ。

 

そこで弊社が考案している新しい障害者の雇用方法として、障害者だけが出勤することができる『障害者特化型サテライトオフィス』である。普通のサテライトオフィスに精神障害者が利用するとなると、健常者による仕事の緊張感が過度なストレスになり悪い方に作用してしまう可能性が考えられるからだ。

こういった障害者をサポートしてくれる障害者特化型サテライトオフィスがあれば、余計な不安や心配事を減らしてくれる効果もある上、似たような症状での悩みを持つ人達が集まっていることで相互理解やサポートもできるため、精神障害者の離職率軽減にも繋がると確信している。

 

今後の社会の在り方について。

 

雇用促進法によって企業に求められる法定雇用率は将来的に見ればさらに上昇していくことになるだろう。それだけの労働人材が眠っているからこその働き方改革であり、新たな雇用促進法であるからだ。

また今の世の中の流れでは、サテライトオフィスを導入している企業が世界的に見ても多い。経済的価値と社会的価値の両立を実現するソーシャルビジネスとCSVもまた様々なモデルケースを生み出していることであろう。その中に障害者雇用のモデルケースが様々な企業でどのように発展させていくのかを今後期待したいと思う。

ソーシャルビジネスの未知数な可能性

POST DATE:2017年10月12日

<執筆:在宅障害者チーム>

『障害者雇用促進法(以下、雇用促進法)の改正』

2016年9月に働き方改革への取り組みを提唱し、現在多くの企業で就労や雇用方法などの見直しがされ、2017年4月の改正で今まで様々な機会に恵まれなかった精神障害者も雇用の義務化が法律に規定されました。これにより精神障害者だからと言って雇用の機会を失くすような状態から脱却されようとしている。

 

ではその雇用の現状はどうなっているのだろうか。

 

実際のところ対応できている企業は少数で、日本社会全体が対応するにはまだまだ時間が掛かりそうだ。精神障害者の雇用義務が規定されても企業内の整備が整わないのであれば致しかたない。ともあれ、平成30年4月からは障害者の法定雇用率の値が上がることもあり、企業側はその対応に四苦八苦していることだろう。

 

一方で、精神障害者は今どのような想いを抱いているのだろうか。

 

恐らく一様に不安しかないだろう。今まで企業から見向きもされなかった精神障害者にとって、手のひらを返されたように積極的に雇用しますと言われて素直に働けるものなのだろうか。精神疾患の度合いで変わるだろうが、それはとても難しいと言わざるを得ない。法律で雇用義務が規定されているから雇われているだけではないだろうか。という疑念は精神障害者にとっては払しょくできないものなのである。

 

では企業側はどうだろうか。

 

企業も何の理解もなく精神障害者を健常者と同じように扱うことはできないことは理解しているであろう。精神障害者をどう扱うか不透明なままならば、あくまで義務化に従うということで簡単な仕事だけやってもらうという企業方針では給付金目当ての状況を作ってしまうことになる。この状況での雇用の義務化は、良い意味でも悪い意味でも理想でしかない。そこを理想で終わってしまってはもったいないし、ソーシャルビジネスとして活かしていけるかが課題となるだろう。

 

そもそも論として、精神障害者の多くは企業が求める人材として申し分のないスキルを持っている。

 

精神障害を抱えてしまった障害者の多くは、社会人として働いていた人達であり、様々な理由で精神疾患を抱えてしまい社会から離れてしまった人達なのである。

例えば、新卒採用で企業に入社し頑張って働いて結果もちゃんと出していたが、不況の煽りを受け精神疾患を抱えて会社を辞めざるを得なかった人だったり、真面目で頑張り屋だったがストレスを溜め込んでしまって精神疾患を抱えたりと、社会で真面目に頑張ってきたが途中で何らかの理由で足を止めてしまった人達が多くいるのだ。そして通院しながらも再就職を試みるが、精神疾患が再発してしまってすぐに退職するという形になり就職に対する高い壁に絶望してしまうことになる。

 

こういった例の様に、企業で積んだ様々なスキルやノウハウを発揮できずに就職したくてもできない精神障害者は多くいるのが実情なのである。元々は真面目で向上心を持って仕事をしていた人達であるため、働きたいと考えている精神障害者は思っている以上に多いと考えられる。通院しているなら尚更、より良い精神状態に回復するために今も頑張って前を向いている状態なので、徐々に社会復帰していくという意味でも雇用の機会があれば積極的にチャレンジしてくるだろう。

 

このようにチャレンジしてくる精神障害者の多くは、自宅では比較的健常者に近い健康状態を保てていることがあるので、在宅就労という形で本格的な仕事をすることができるだろうと考えられる。在宅であれば、地方の実家で療養をしている精神障害者にも平等に雇用の機会が与えられる。また東京都は2020年の東京五輪に向けて、交通網の混雑軽減や人口の一極集中の緩和を実現するために、在宅就労を推進する動きが見られている。こういった世の中の動きを鑑みれば、在宅就労という就労形態はこれからの社会において必要で必須の在り方と言えるかもしれない。となれば、優秀な人材の宝庫である精神障害者をソーシャルビジネスとして在宅就労という形で雇用することは、企業の戦力としてなり得るだけではなく、長い目で見ても利益として得られるものは多いと考えられるのである。

 

以上のことを踏まえると、今企業が為すべきことは精神障害者の理解とソーシャルビジネスの展開への投資ということになるのではないだろうか。精神障害者をただの雇用義務として雇うのではなく、ソーシャルビジネスとして展開していき新たな企業の戦力と考えていくことで企業の更なる成長へと繋げていく。そのような企業が増えていくことで、不足している労働力を補えることにもなるうえ日本社会の経済もより回っていくようになっていくかもしれない。現在のソーシャルビジネスの可能性はまだまだ未知数であり、それをどう活かしていくかにより様々な成果を出せる分野であるということを一層理解してもらいたい。

障害者自らが創らなければならないソーシャルビジネスがある!

POST DATE:2017年08月30日

<障害者チームの声>

現在、障害者の働く環境は大きく変化しています。

そして健常者が働く一般の企業も大きく変わらなければならない状況に立ち至っています。

企業の働き方改革が叫ばれ、長年の長時間労働の悪習を改めなければならないことは企業もわかっていると思います。近年特に多くなってきた”働き過ぎからくる過労自殺”は大きな社会問題です。この貴重な人的資源の浪費、人権無視の状況は変えなければならないのです。

また、障害者の働き方改革も喫緊の問題といってよいでしょう。

長い間、貧困状態の劣悪な環境に障害者、とりわけ精神障害者は置かれていました。そして現在も置かれているのです。だからこそ、この状況を変えることは絶対に必要なのです。それでなくても、少子高齢化社会への急速な進行により、労働力人口が減り、激増する高齢者を激減する現役世代が支えなければならないという、いつ行き詰っても不思議のない状況となっている現在。新たな労働力は、政府が盛んに述べている”女性”だけではないのです。その新たな労働力として、精神障害者を捉え、ピンチをチャンスに変えるのがソーシャルビジネスではないかと考えます。つまり単に利益を追求するのではなく、社会への意味を重視して、その問題点を解決しながら利益を上げていくことが企業に求められている時代なのです。

そこで障害者チームが社会をよくするといった視点を企業が持つ必要があるのではないかと、ここに提言します。今まではともすると、社会の枠外に捨て置かれていた精神障害者の積極的な活用が重要となるでしょう。

もちろんそのためには、障害者の意識が変わらなければならないのは言うまでもありません。高い意識を持って働くことが必要となります。

企業の働き方改革により残業を減らし、雇用者を増やして一人当たりの労働時間を減らす必要は昨今叫ばれていますが、なかなか実現していません。そこで精神障害者を雇用するだけでなく、企業によるA型事業所などへの外注を増やすことで、精神障害者も単に一般企業に障害者枠で雇用されるだけでなく、A型事業所などで働いて、かつ生活できるだけの賃金が得られるようにする必要があります。それにより、一般企業の業務を一定量は受託で賄うことができるようになります。これは、2018年に精神障害者の法定雇用率がキチンと定められることを考えた場合に必要になってくる方法といえます。これは障害者の働き方改革の問題であり解決策でもあると考えます。

こういったことを考えると、ソーシャルビジネスの必要性は今後ますます増してくるでしょう。現在の世界は貧困の問題に満ち溢れていますが、これは日本も例外ではありません。格差社会への進行のスピードが速すぎて、解決が難しくなってきているように思います。

そこで、障害者チームが社会をよくする機会を増やすことが重要であるという考え方が生まれてきているのです。

これはどういうことかというと、障害者には実は優れた能力を持った人材がかなりいるということです。そして、とにかく弱肉強食になりがちな日本社会で、弱者の視点を持つ精神障害者が社会に積極的に関わることにより、日本社会全体の風通しがよくなることが期待できます。こういった考え方は従来あまりなかったと思いますが、だからこそこうした考え方を大きく打ち出すべきだと思います。ここから発想することにより、社会は大きく変わる、つまり良い方向へ変わる可能性があるといえます。今までこういった考え方がなかったために、日本社会は労働市場(環境)の停滞から抜け出せなかったのだと思います。(発想の転換が必要)

精神障害者はマイナスだと切り捨てるのではなく、そのパワーを大きく活かすべきときが来たのです。

労働市場の死角とソーシャルビジネス

POST DATE:2017年08月18日

日本の労働市場には死角がある−

「一億総活躍社会」や「働き方改革」といった言葉には、国を挙げて解決させたい課題があるという意が込められている通り、いま「働き方」を見直すだけではなく「実行力とともに変化させる必要」がある。

北海道から沖縄県までの47都道府県全体でみると、この中に、私たちが見えているようで見えていない潜在的な意志のある労働力(人的リソース)がある。これらの人々は、かなりフレキシブルな勤務体制出ないと働けない人たちだ。

例えば、「傷病の治療やガンの再発(症状含む)」を考慮しなければならない人々。

これは、ガン罹患者だけに限ったデータではないが、メンタルヘルスを必要としない「傷病」の罹患者のうち、現在仕事をしていないが「就労を希望している人」は約70.9%存在していることが明らかになっている。(参照:(厚生労働省)治療と職業生活の両立等の支援対策事業 実施委員会)人数までは算出しないが、ここでは「治療と仕事の両立」が十分ではないという事実だけに目を向けることが重要。

雇用主である企業も迅速的な対応が必要と言われている。「治療と仕事の両立の重要性に関する研修・教育の実施状況」(参照:同上)には、【メンタルヘルスについてのみ実施】が19.3%、【他の傷病等について実施】8.9%、そして【未実施】が70.4%というデータがあるように、そもそも「傷病の治療やガンの再発(症状含む)」を考慮しなければならない人々が十分に働ける環境が整っているとは言い難い内容だ。

とはいえ、一部のデータだけをみて「こんな社会じゃダメだ」ということは誰でもできる。やらなければならない事は、フレキシブルな勤務体制でなければ働けない人たちに対して、「社会復帰あるいは新しい働き方」を選択できる機会を増やす事だと考える。

フレキシブルな勤務体制でなければ働けない人たちは、「傷病の治療やガンの再発(症状含む)」を考慮しなければならない人だけでない。当然ながらこのような状況の人々には、扶養家族を介護している人や、上京してきたが「負の連鎖(東京の物価に対して収入が割安で、かつ求人ニーズ(倍率)は高いが勤務体制が頑固等)」から抜けられない若者、特別なケアが必要な子どもを持つ親やその関係者などなど、ここでは書ききれないほど沢山の属性が存在している。

このような人たちは、働く必要性が高いのに”職を見つける””生活を維持する”ことが非常に困難な環境に長年のあいだ居続けている。これらの人々の問題を解決させるために必要な要素は盛りだくさんあるだろうが、圧倒的に必要な事はカネ(お金)ではなく”フレキシブルに働ける労働環境”だ。

いやいや!すでに在宅勤務を推奨している企業は増えているし、在宅勤務(テレワーク)が可能なクラウドソーシングサービスだってある。という考え方もできるが、まだまだ「不足」していることが問題だ。そもそも、在宅勤務で十分に収入がある人たちは、いわば”高度人材”。当然ながら全員ではないが、こうした人たちは、企業からの信頼と実績があり、個人のパフォーマンスレベルが非常に高い傾向があると考える。つまり、潜在的な意志のある就労希望者を労働市場で活性化させるためには「優秀になってもらう必要がある」ということだ。ここでいう優秀とは、何も資格を取ったり大学に入学したりするということではない。【市場の要望(ニーズ)】に応え続けられる人材のことだ。

Aさん「レストランやカフェのランチタイムが混雑した時、1時間だけ働いてくれませんか?」

Bさん「いいですよ。いつでも声をかけてください。その辺のカフェで待機してますから」

こんな状況は絶対的にありえない。ただ、こんな状況を当たり前に作り出す必要が現代の日本の労働市場・労働環境にあることが事実上の課題である。上記のケースは人的リソースではなくテクノロジーなどといったシステムで解決するかもしれないが、在宅勤務(テレワーク)やフレキシブルな勤務体制を実現させるためにはこのくらいのインパクトを出せる仕組みが必要であるということだ。

ソーシャルビジネスには必ず社会的インパクトが付いてくる。誰がやるのか、いつからやるのか、それはすぐに結果がだせるのか。常に考えて考えて考え抜ける人でないと、「一億総活躍社会」「働き方改革」は名ばかり政策(施策)で終焉する。大手企業でもベンチャー企業でも個人でも良い。新しい労働市場を作り切ることで拓ける幸せが、日本国内には必ずあると言える。

社会的弱者は社会的価値を生み出せないのか?!

POST DATE:2017年08月05日

社会的弱者は社会的価値を生み出せないのか?!

社会的弱者は「機会が不足」している。

一人ひとりが望む意志によって、この「機会」というものは当然ながらさまざまだろう。

 

大きい枠組みの中で考えると、断言できることがある。

それは「社会的弱者は社会的価値を必ず生み出せる」という事だ。

むしろ、社会的弱者が生み出す社会的価値は”人々の記憶に残る偉大な価値になる”と信じている。

組織(ここでは企業とする)が生み出している価値は、個がもつ価値の集結により創出されているものだという考え方がある。多様性(ダイバーシティ)という言葉が、多くの場所や機会で用いられている状況が見受けられるのも、おそらく時流なのだと考える。

個がもつ価値というと、私たちが推進している障害者アウトソーシングチームの業界である「障害者就労業界」でも日々熱い議論が行われている。(「障害者にも個性がある」「障害者には人にはない突出した能力がある」など)個の存在に対する価値をここまで熱く強くそして大切にしている業界は、可能性に満ち溢れていることに間違いはないはずだ。

では、障害者自身はどのように考えているのだろうか。当然ながら、一人ひとりが考える「価値」自体が異なるため断定的なことは言えないが、少なからず”自分(個)には価値がある”と感じられていない人が実際に存在していることは間違いない。特に、精神障害者と意見交換をするとこの事実は必ずと言っていいほど起きる。

「社会的弱者は社会的価値を生み出せるのか?!」という議論の前に、”まずは社会的弱者自身の価値を生み出す必要がある”と考えてしまうのだが、この考え方は就労(仕事)をする事に対して言えば”実にハードルが高い”と感じる。個の価値というのはまさに「実力・経験・感性」で構成される極めて少数の方々から生み出される(マイノリティ)ものである。個の価値というのは、一見誰にでもあるようで、実際には今日という1日の中で”個の価値”を感じられる機会なんてほぼ無い。だから”自分の存在価値”の是非や在り方などに苦しむ。

“知性の集結価値”という考え方がある。これは、著書「TEAM OF TEAMS(スタンリー・マクリタス)*日経BP」を拝読して得た大切にしたい考え方の一つ。この考え方は、「スティーブン・ジョンソン」の著書『創発』(ソフトバンククリエイティブ刊)と共に綴られており、女王アリによるトップダウンの司令でコロニー(巣や秩序とする)は保たれているという考え方で有名な「女王アリの神話」を挙げながら”知性”に対する考え方や価値について説いている。

*ここでは、社会的弱者をアリに例えたい訳では全くない。本質的な論点を正確に認識して頂けたら幸いです。

「スティーブン・ジョンソン」の著書『創発』によると、精密精巧に作られているアリの巣は、女王アリによる集団(そのほかのアリ達)への統制力や管理力のもと作られているという訳ではないという。どのアリにも、「食べ物の貯蓄倉庫」や「緊急脱出出口」などの機能を持たせた最適化された巣を設計する能力は無いという。

結論、アリの本能的能力やアリが残したフェロモンの種類*1(*1Johnson,Emergene,52ページ)でパターン認識しているということのようだが、ここで伝えたいことは、複雑化された”一人ひとり異なる性質や能力”は”連結”させる事が可能なのではないかという事だ。

実際に、ヴァルトジャパンと共に仕事を推進している障害者チーム間では、それぞれの特異性(スキル等)や状況(品質や納期,当事者の体調変化等々)に応じて、柔軟に相互連携が行われている。

前述した、”個の価値”を感じられる機会なんてほぼ無い。だから”自分の存在価値”の是非や在り方などに苦しむ。という内容に戻ると、この”連結”には「個の存在価値」を体言化できる要素がメチャクチャ含まれていると感じる。

現に、障害者チーム何百人が一斉に関わる大型プロジェクトでは、相互連携により見事にプロジェクトを成功へと導き、日本全国の地方都市の活性化の一助となれたと、私たちは自負している。

冒頭に申し上げたが、社会的弱者が生み出す社会的価値は”人々の記憶に残る偉大な価値になる”社会が、1歩ずつ現実社会へと姿を見せている。

 

“個がもつ価値の集結により、社会的な価値を創出する事ができる”

“個の価値は、個の相互連携により生み出す事ができる”

“社会的弱者が生み出す社会的価値は「人々の記憶に残る偉大な価値になる」”

障害者の働き方改革の問題・課題とは?

POST DATE:2017年06月12日

 

 

<障害者チームの声>

障害者の働き方改革の一例として、テレワークを一例に挙げながら解説と見解をさせていただきます。

 

IT関連の新技術の登場により、障害者の働き方を具体的に改善することが可能になっています。障害者に適した働き方の一つとして「テレワーク」という手段がありますが、しっかりとした成果を出すためには「テレワークをどう定義するか」が大切です。(一般的には、「ITを応用した情報通信機器を用いて、時間と場所に制約されずに柔軟に働ける」体制と示されています)

 

議論を具体的に進めるために、一例として、精神障害者の場合のテレワークにおけるメリットを挙げてみます。精神障害者は対人関係の構築に問題を抱えていることがあります。通勤に伴って…

 

  • 駅まで行けない
  • 適切に他者とコミュニケーションができない

 

という問題が発生することが考えられますが、テレワークによってこのような問題をクリアすることができます。

また、テレワークを実際に導入する場合には、テレワークに適した業務内容としてIT関連の業務を挙げることができます。

 

精神障害のみならず、障害が重度であっても指先を動かすことができればPCを使用して仕事ができます。また、精神や知的の障害であっても、一つの仕事が反復的であれば正確に勝つ継続的に仕事をすることができます。

 

些細なこと、小さなこと、あるいは当たり前のことかもしれませんが、障碍者の働き方改革が可能になる有力な手法であることは間違いありません。

 

一方で、障害者の在宅雇用の際に問題になるのが「企業の働き方改革」の実行力です。

企業における従来の働き方(フォーマットの枠組みのようなもの)に、障害者の在宅雇用を導入してしまうといろいろと問題が生じてきます。先ず、具体的に問題を挙げてみましょう。

 

  • 教育
  • 勤怠の管理
  • 対人コミュニケーション

 

教育について見てみると、被雇用者に業務上必要な知識を身に付けさせるにはオンザジョブトレーニングが必要になるのですが、重度身体障害者の場合には通勤することに大きな困難があります。業務を開始した後に会社で集合研修を行うことにそもそもなじみません。精神障害者や知的障害者の場合には、普段の教育以上に丁寧に教える必要があり、テレワークでの業務ノウハウの教示はそう簡単に進まないことが考えられます。

 

勤怠管理についてはどうでしょうか。テレワークの局面ではこの問題が重要になります。一般に障害者に関して言えば、体調に不良をきたしたり通院をしたりするために仕事に就けない日や時間帯が必ず発生します。仕事中に急に体調を崩して、仕事を中断せざるを得ないこともあるでしょう。

 

コミュニケーションについても、テレワーク特有の問題が山積しています。テレワークではフェイストゥフェイスの対面的なコミュニケーションを、通勤困難な障害者とどのように確保するかが問題になります。

 

以上のように簡単に顧みただけでも企業の働き方改革が障害者雇用の場面においては焦眉の急の問題であることが明らかです。

 

さて、前途に問題山積に思える障害者の雇用についても、近年、新しい風が吹いています。20-30代のソーシャルビジネスのアントレプレナーが障害者支援を目的とした新たなサービスを起業し始めています。障害者の雇用拡大や就労の支援をビジネスの枠の中で実現しようとする若い世代の努力です。こういったソーシャルビジネスのアントレプレナーの抱くエートスとは…

 

  • 社会を変えたい
  • 世の中の役に立ちたい
  • 誰かを支えたい

 

です。彼らアントレプレナーの抱く目標とは、言葉を換えれば、「障害者チームが社会を良くする」という状況を現出することです。「障害者チームが社会を良くする」という言葉は、単なる理想あるいは絵に描いた餅に過ぎないのでしょうか?わたしたちは、波乱含みに時代のトレンドを見据えていきたいと思います。

精神障害者からみる【みなし雇用】への見解とは?

POST DATE:2017年05月12日

 

<障害者チームの声>

長年抱えてきた障がい者雇用の問題。

特に精神障害者の場合は、衛生・健康管理・身だしなみ等の生活支援に加え、判断力・コミュニケーション能力を補うノウハウが必要とされる。そのため、雇用する側の企業は、障害者雇用に消極的にならざるを得ない現状(課題)が発生する。

 

障害者雇用の問題や課題は決してこれに限ったことではないが、容易ではないことは確かだ。

 

この問題や課題を解決する手段として考えられていることが「みなし雇用」だ。障がい者への仕事の供給手段を「外注」とすることで、循環型の経済システムを構築する方法だ。障がい者を雇用する際に考えられる人的コストと教育コストを考えると、正式雇用よりも外注のほうが企業にとってはハードルがはるかに低くなると考えられており、なおかつ、障がい者に外注する企業のメリットとしては「経済的なインセンティブ」と「社会的評価あるいは価値の創出」が生まれる。

 

しかしながら現状では、正式雇用と違って外注で障がい者に仕事を依頼(委託)することに対して「企業にとってメリットが少ない」ことが明らかになっている。(障がい者への仕事の発注が増えていないのは原因の一つと考えられる)

 

そこで、障がい者に仕事を外注する企業に対する優遇措置として、まだ制度化はされていないが、障がい者雇用促進法の制度改正、いわゆる「みなし雇用」への優遇が求められている。

 

【主には、以下の三つの改正が求められている】

 

・みなし雇用制度法定雇用率への加算計上

・調整金・報奨金

・優遇税制

 

【精神障害者からみる【みなし雇用】への見解】

人生の途中で精神障がい者になった私は、コミュニケーションなどの問題で就労継続支援A型事業所に通所することになりました。

 

精神障がい者でA型事業所に通所している立場から考えてみると、企業の経済的かつ社会的な発展のためにも、障がい者雇用の観点から見ても、「みなし雇用」の推進と外注業務(アウトソーシング文化)の発展は不可欠であると思います。

 

これまで、障がい者に対する就労計画は全国の至る所で行われてきましたが、それも大多数は知的障がい、身体障がいに行われてきました。しかし精神障がい者に対してはどうでしょうか?見てくれだけで判断し、当人が抱えている問題に気付かない等、精神障がい者は企業に軽視されやすい傾向にあります。

 

「障がいがあっても頑張ろう、支え合おう」「障がい者を戦力にする」が本当の目的のはずなのに、ハラスメントの標的になってしまったりする事案が後を絶ちません。企業側は一度雇った以上、障がい者でもこんなに出来るんだぞ、と成長させる必要があるはずです。

 

それこそ、外注(アウトソーシング)をして働きやすい環境を整えたり、色々出来ることはあります。その努力を怠りながら「採用する事実だけに目を向けること」は、法律遵守のために「あなたの手帳が欲しい」と言っているのと同じです。これは企業の(法定雇用率)メリットになると考えている証拠です。

 

一方で、障がい者の方にも課題点があります。それは、自分で考え、辛いことがあれば相談する、といった心のコントロールが必要ということです。企業側からは「成果を出そうとしない」「甘えている」という意見がちらほら出ているのも事実です。原因の一つとして考えられることが、大半が家で過保護状態になり、「会社が助けてくれる」「きっと手伝ってくれる」という考えが出てきてしまったからです。その為、仕事も疎かになり企業からは「甘えている」と思われてしまいます。(一概に断定できることではありませんが)

 

企業側と障がい者側がどう歩み寄るかが今後の課題だと思います。

 

通常雇用が、「戦力・売上アップ」のために人を雇用するのに対し、障がい者雇用は法律遵守のために障がい者手帳を持っている人を雇用するという社会的な構造。このジレンマを抱えながら双方が認めあって努力を重ねなければ、現在の障がい者雇用の問題解決には至らないと考えます。

 

精神障がいが軽視されており心を痛めている私ですが、いつかもっと笑顔で仕事ができる様になればいいな、と思っています。