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人生をつくるのは・・・【VALT JAPAN在宅メンバー執筆】

投稿日:2018年07月02日

 

人生をつくるのは・・・

 

「あなたの幸せは何?」

「あなたの価値はどういうもの?」

「あなたはどんな人生を目指しているの?」

 

なんでもないときに、ふいにそう問われたら、あなたはすぐに答えることができますか?

 

 

「どうしてごはんを食べるの?」

「どうして仕事をするの?」

「どうして寝なきゃいけないの?」

「どうして勉強するの?」

「どうして会話をするの?」

普段何気なく、もしくは何も考えず、「当たり前」のように行なっていることに対して、あなたはすぐに理由を説明できますか?

 

 

この文章を読んでいる方の中に、障害があって、通院をしながら服薬中の人がいたら…

あなたは「どうして病院に通っているのか?」「どうして薬を飲んでいるのか?」をしっかりと考えたことはありますか?

→障害があるから?

→体調を安定させたいから?

→主治医に「薬を飲め」と言われているから?

 

本当にそうしなければいけないのでしょうか?

「病院に通わない」「薬を飲まない(服薬を断る)」という選択肢だってあります。

あなたはどうしてその選択をとらないのでしょうか?

 

※これは決して「病院に通うのが良くない」「薬を飲むのが良くない」と言いたいわけではありません。

「ちゃんと自分で考えて選択しているか?」を確認しているのです。

 

 

この記事を書いている私は、精神障害があり、精神科に通い始めてもうすぐ10年になろうとしています。薬は飲んでいません。

「薬を飲んでいない」と伝えると、「いいなぁ。自分も薬を飲まないようになりたい」と、精神科に通院している人たちから言われることがありますが…

「どうして私が薬を飲まないのか知っているの?」「飲みたくないなら、飲まなければいいのでは?」と思ってしまうことがあります。

“薬を飲まない=軽症”と感じられて、それで「いいなぁ」という言葉がこぼれるのでしょうか?

 

私も以前、症状が不安定なときに薬を飲んでいたことがあります。

でも不安定すぎて、オーバードーズをして緊急入院となり、結果として主治医に薬をすべて没収されました。

つまり「服薬して症状を安定させる」という選択肢が、強制的になくなったのです。

その後はどんなにしんどくても、主治医や家族、支援者たちとの「コミュニケーション」の中で、体調のコントロール方法を見つけていかなければいけませんでした。

他者に何度も迷惑をかけながら、「薬なしで安定させてやる!」という想いで、必死になって色々なやり方を試して…

今は自分なりの体調のコントロール方法を見つけることができましたが、それは決して生易しいものではありませんでした。

特に主人にはたくさん迷惑や心配をかけたと思います。

途中で見放さず、どんなときも真剣に向き合ってくれた主人には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

もしもあなたが「通院しない生活になりたい」「薬を飲まないようになりたい」と思っているとしたら、「どうして通院したくないのか?」「どうして薬を飲みたくないのか?」をいま一度考えてみてください。

 

私自身は、「通院して薬を飲んで体調が安定しているのなら、”体調安定の手段”としてアリだ」と思っています。

自分の人生は、自分でつくるものです。誰かがつくってくれるものではありません。

通院する/しない。薬を飲む/飲まない。どちらを選択するのもあなたの自由です。

通院も服薬も、自分の人生をつくっていくなかの1つの手段です。

自分の目的に合った方法を、色々試して選択しながら見つけていくのでいいと思います。

 

「選択の仕方がわからない」

「選択云々の前に、そもそも自分の人生の目的がわからない」

どちらの場合も「自分1人では先に進めない」と感じたのなら、周りの人に相談してみてください。

何かをしたいのなら、まずは自分が行動を起こさないと何も始まりません。

「誰にも頼れない」「誰も自分のことを受け止めてくれない」「どうせ誰も…」と、選択の機会を自ら絶たないでください。

「過去に行動を起こして、不快な思いをしたことがある。もうあんな嫌な思いはしたくない」としても…

しんどくても、それを乗り越えるのはあなたです。誰かではありません。

そのときはしんどかったとしても、「次もしんどい思いをする」と、どうして決めつけられるのでしょうか?

 

 

もうひとつ。

この文章を読んでいる人の中で、「障害があるから働くのが難しい」と思っている人がいたら質問です。

どうして障害があると働くのが難しいのでしょうか?

「こうしたら障害があっても働きやすくなる」ということを考えたことはありますか?

 

ひとりひとり、障害の症状・特性・度合いは異なります。

同じ障害名でも、同一の治療法が有効とは限りません。

治療法がそれぞれ異なるように、働き方も人それぞれです。

 

「正社員」「派遣」「アルバイト」「パート」といった働き方以外に、障害があるのなら、雇用契約を結ぶ「就労継続支援A型」や雇用契約を結ばない「就労継続支援B型」、さらには就労に向けたスキルを身につける「就労移行支援」があります。

最近では「アウトソーシング」「クラウドソーシング」「みなし雇用」「在宅雇用」といった働き方も出てきました。

働き方(選択肢)はたくさんあります。

あなたにはどういう働き方が合っていますか?

「今の働き方だとちょっと、なんだか…」「こんな働き方がしたい!」という想いがあるのなら、ハローワークに相談したり、市区町村のジョブコーチの制度を利用したりして、一度考え直してみてはどうでしょうか。

 

ソーシャルビジネスを発展させたり、働き方改革を起こすのは「誰か」ですが、それが「他者」とは限りません。

「あなた」がそれらを革新させる重要な人物になる可能性だって秘めています。

「自分が動かなくても、誰かがやってくれるでしょう」と思ったそこのあなた。

確かに誰かがやってくれるかもしれませんが、はたしてそれはあなたが望んだやり方ですか?望んだタイミングでやってくれますか?

 

もう一度言いますが、自分の人生は自分でつくるものです。

隣の人は、隣の人なりのやり方で、自分の人生をつくっています。

時間がかかっても、自分に合ったやり方を探していくことが大事だし、幸せや価値というのは、そういう過程の中で見つかるのではないでしょうか。

 

 

最後に。

冒頭で質問した3つの質問に答えられなかった人がいたとしたら、ぜひ映画『グレイテスト・ショーマン』を観てみてください。

私はこの映画を観て、セリフ・歌詞・物語・音楽・表情…あらゆるところから刺激を受けて、がらりと物事の捉え方が変わりました。

特に「幸せとはなんだろう?」「家族とは?」「愛とは?」「お金を稼ぐとは?」「障害は悪なのか?」ということを考えさせられました。

この映画を観たことで、私の「人生の目的」が定まりました。とてもおすすめです。

 

 

「どうして?」という問いに対して、答えが必ずしも1つとは限りません。

「自分はこう思った」のならそれが答えだし、「あのときはこう思ったけど、今はこう思う」と変化させていっていいと思います。

周りは気にせず、「自分」というものを大事にして、自分らしい人生をつくってください。

障害者特化型サテライトオフィスの必要性とは

投稿日:2017年10月25日

<執筆:在宅障害者チーム>

障害者特化型サテライトオフィスの必要性とは

 

2020年東京五輪に向けて東京都では、交通渋滞や満員電車の解消を促しています。その方法として会社に出社するのではなく、都心から離れたサテライトオフィスに行き仕事をするという遠隔勤務という出社の形である。

 

このサテライトオフィスを利用することによって、都心まで行かなくても仕事ができることになるので、東京都の交通問題の緩和や国が推進している働き方改革にも繋がることにもなる。海外でもサテライトオフィスを利用している企業は多く存在しており、まだまだこの動きは進んでいくと言われている。現在の日本でもサテライトオフィスを利用している企業も増え始めているがまだ浸透しきれていないのではないのかと考えられる。

 

そこで私たちは『障害者特化型サテライトオフィス』を開始し推進する。文字として記されている通り、障害者専用のサテライトオフィスであり、企業に出勤することで発生してしまうストレスなどがなくなることで、働きやすい労働環境が実現されると考えている。また精神障害者の離職率軽減にも繋がると確信している。では何故そこで障害者を取り上げるのか。

 

それは社会問題の一つである、労働人口減少による『人手不足の解消』にある。

 

現在日本の労働人口は減少傾向にあることは周知の事実であろう。ただでさえ労働人口が減少しているのにも関わらず、少子高齢化により退職する人材が多くなってしまい、どの企業も人手不足で外国人を雇用するなどして少しでも人手を確保しようと必死である。しかし日本にはまだ潜在的な労働人材が多くいることを忘れてはならない。その一例として障害者であろう。

 

では日本にはどの程度の数の障害者がいるのであろうか。

 

平成28年版障害者白書の参考資料、障害者の状況(基本的統計より)から抜粋すると以下のような数字が見て取れた。

 

◆平成23年時の値

〇身体障害児・者(在宅):約386万人

〇知的障害児・者(在宅):約62万人

〇精神障害者・外来:約361万人

 

上記のように日本の障害者の数はこれほど存在しているのである。その中でも働き方改革によって2017年4月に障害者雇用促進法の改定で新たに精神障害者が法の適用範囲に入ったことから、企業は法定雇用率を達成するために精神障害者の雇用機会はこれから多くなっていくと考えられる。

 

こういったソーシャルビジネスとCSVがもたらす相互作用は未知数だと言っても過言ではないだろう。そのため障害者特化型サテライトオフィスの存在は非常に価値あるものとなっていくだろうと確信している。障害者特化型となっているのは当然だが、健常者用のサテライトオフィスでは対応ができないことが多分にあるためである。

 

その理由として以下のようなことが考えられる。

 

精神障害者の難敵ともいえるのが『ストレス』である。この目に見えない存在は、外的な要因でも内的な要因でも精神障害者には相当な負担になり、身体に様々な症状を引き起こし酷い場合にはその症状によって寝込んでしまいかねない状態になってしまう。そこで精神障害者へのストレスフリーな空間創りというのが課題になる。

 

筆者として考えられるものがあるとすれば以下のようなものであろう。

〇仕事をする場には精神的に落ち着く状態を提供する

〇カウンセラーなどのサポートスタッフの常駐や体調不良時の休憩スペースの確保

〇障害者同士のコミュニティの場の提供

 

非常に漠然としているが、今すぐ思いつくのは上記のようなものだろう。今後、障害者を交えての議論を行なっていくことでより良いサテライトオフィスとして提供できることになるはずである。

 

こうしたソーシャルビジネスとCSVの相互作用は、これから企業が取り入れるべき課題として十分な理由があるだろう。精神障害者は人材としての価値も高く、戦力としても申し分のないスキルを持っている者も多い。企業としては法定雇用率の達成の方を気にしているかもしれないが、精神障害者が戦力として欠かせない存在となれば、働き方改革としても企業の経営戦略としても大成功となるはずだ。そうなれば障害者へ向けられる目も良くなり、社会全体が健常者と障害者の枠組みとしての関係が良くなることを期待していきたいと思う。

障害者雇用とCSV(Creating Shared Value)がもたらす相互作用とは

投稿日:2017年11月02日

<執筆:在宅就労チームの声>

2017年4月から働き方改革の一環として障害者雇用促進法(以下、雇用促進法)が改定され、精神障害者が新たに雇用対象として加えられた。それに伴って平成30年4月からは企業に求められる障害者の法定雇用率も上方修正される見通しだ。つまり、企業で採用される障害者がさらに増加していくということになり、減少している労働者人口や企業の人材不足といった社会的な問題の解決に繋がるのではと期待されている。

 

こうして新たな働き方改革によりソーシャルビジネスに注目が集まる中、2011年に米国ハーバード大学ビジネススクール教授のマイケル・E・ポーター氏などが提唱したCSV(Creating Shared Value)という経営戦略の概念が注目を集めている。

 

CSVとは何かという話の前に、CSRという経営戦略の概念を説明しなくてはならない。何故ならCSVとはCSRという概念が存在していたからこそ生まれた新しい概念だからだ。

 

ではCSR(Corporate Social Responsibility)とは何か。

 

CSRとは一言で言えば『企業の社会的責任』を経営戦略の概念としたものだ。しかし、社会貢献活動や慈善活動などがCSRの概念であると理解されて来たためか、根本的な企業の事業活動自体に直接的な結びつきが薄く経営戦略となり得なかったとマイケル・E・ポーター氏は提起している。このような経緯があり、CSVという新しい経営戦略の概念が生まれたのである。

 

ではCSVとは何か。

 

CSVは『共通価値の創造』を概念としたものだ。従来のCSRでは善行的な社会貢献活動が企業の事業活動と結びつかないという限界を踏まえた上で、さらに【社会的な課題の解決】と【企業の競争力の向上】を同時に実現しようというものである。

 

このようにCSVが提唱され現在注目されているのは、上記にもあるが働き方改革により新たな雇用の存在と企業競争力が向上すると考えられるからだろう。であれば障害者雇用のソーシャルビジネスとCSVという概念は正に相性としては抜群であるはずだ。企業にとって未発達且つ成長性のある市場と考えられる障害者雇用の市場をいち早く注目するのは必然であろう。

 

では障害者を雇用するためにはどのような環境が望ましいのか。

 

障害者と言っても様々な状態の者がいるが、ここでは新たに雇用促進法で対象になった精神障害者に注目してみる。

 

精神障害者を新たに採用し雇用をするとなれば、一番初めに頭に浮かぶのはテレワーク(自宅勤務)やサテライトオフィス(遠隔勤務)であろう。精神障害者と呼ばれる多くの者は、会社で働くことのストレスに弱いことや会社通勤ができないなど社会の色々なストレスを過敏に反応してしまうからある。ならば、そのストレスを少しでも感じさせないように仕事ができる環境が望ましい。その面で言えばテレワークが一番ストレスなく仕事ができるであろう。

 

次に考えることは、精神障害者の状態次第ではサテライトオフィスでの仕事がより良いのではないかという考えである。何故なら仕事をする上で多少なりとも緊張感を持つことは、集中力を増しより良い仕事を行なえるのではないかという考えからだ。

 

そこで弊社が考案している新しい障害者の雇用方法として、障害者だけが出勤することができる『障害者特化型サテライトオフィス』である。普通のサテライトオフィスに精神障害者が利用するとなると、健常者による仕事の緊張感が過度なストレスになり悪い方に作用してしまう可能性が考えられるからだ。

こういった障害者をサポートしてくれる障害者特化型サテライトオフィスがあれば、余計な不安や心配事を減らしてくれる効果もある上、似たような症状での悩みを持つ人達が集まっていることで相互理解やサポートもできるため、精神障害者の離職率軽減にも繋がると確信している。

 

今後の社会の在り方について。

 

雇用促進法によって企業に求められる法定雇用率は将来的に見ればさらに上昇していくことになるだろう。それだけの労働人材が眠っているからこその働き方改革であり、新たな雇用促進法であるからだ。

また今の世の中の流れでは、サテライトオフィスを導入している企業が世界的に見ても多い。経済的価値と社会的価値の両立を実現するソーシャルビジネスとCSVもまた様々なモデルケースを生み出していることであろう。その中に障害者雇用のモデルケースが様々な企業でどのように発展させていくのかを今後期待したいと思う。

労働市場の死角とソーシャルビジネス

投稿日:2017年08月18日

日本の労働市場には死角がある−

「一億総活躍社会」や「働き方改革」といった言葉には、国を挙げて解決させたい課題があるという意が込められている通り、いま「働き方」を見直すだけではなく「実行力とともに変化させる必要」がある。

北海道から沖縄県までの47都道府県全体でみると、この中に、私たちが見えているようで見えていない潜在的な意志のある労働力(人的リソース)がある。これらの人々は、かなりフレキシブルな勤務体制出ないと働けない人たちだ。

例えば、「傷病の治療やガンの再発(症状含む)」を考慮しなければならない人々。

これは、ガン罹患者だけに限ったデータではないが、メンタルヘルスを必要としない「傷病」の罹患者のうち、現在仕事をしていないが「就労を希望している人」は約70.9%存在していることが明らかになっている。(参照:(厚生労働省)治療と職業生活の両立等の支援対策事業 実施委員会)人数までは算出しないが、ここでは「治療と仕事の両立」が十分ではないという事実だけに目を向けることが重要。

雇用主である企業も迅速的な対応が必要と言われている。「治療と仕事の両立の重要性に関する研修・教育の実施状況」(参照:同上)には、【メンタルヘルスについてのみ実施】が19.3%、【他の傷病等について実施】8.9%、そして【未実施】が70.4%というデータがあるように、そもそも「傷病の治療やガンの再発(症状含む)」を考慮しなければならない人々が十分に働ける環境が整っているとは言い難い内容だ。

とはいえ、一部のデータだけをみて「こんな社会じゃダメだ」ということは誰でもできる。やらなければならない事は、フレキシブルな勤務体制でなければ働けない人たちに対して、「社会復帰あるいは新しい働き方」を選択できる機会を増やす事だと考える。

フレキシブルな勤務体制でなければ働けない人たちは、「傷病の治療やガンの再発(症状含む)」を考慮しなければならない人だけでない。当然ながらこのような状況の人々には、扶養家族を介護している人や、上京してきたが「負の連鎖(東京の物価に対して収入が割安で、かつ求人ニーズ(倍率)は高いが勤務体制が頑固等)」から抜けられない若者、特別なケアが必要な子どもを持つ親やその関係者などなど、ここでは書ききれないほど沢山の属性が存在している。

このような人たちは、働く必要性が高いのに”職を見つける””生活を維持する”ことが非常に困難な環境に長年のあいだ居続けている。これらの人々の問題を解決させるために必要な要素は盛りだくさんあるだろうが、圧倒的に必要な事はカネ(お金)ではなく”フレキシブルに働ける労働環境”だ。

いやいや!すでに在宅勤務を推奨している企業は増えているし、在宅勤務(テレワーク)が可能なクラウドソーシングサービスだってある。という考え方もできるが、まだまだ「不足」していることが問題だ。そもそも、在宅勤務で十分に収入がある人たちは、いわば”高度人材”。当然ながら全員ではないが、こうした人たちは、企業からの信頼と実績があり、個人のパフォーマンスレベルが非常に高い傾向があると考える。つまり、潜在的な意志のある就労希望者を労働市場で活性化させるためには「優秀になってもらう必要がある」ということだ。ここでいう優秀とは、何も資格を取ったり大学に入学したりするということではない。【市場の要望(ニーズ)】に応え続けられる人材のことだ。

Aさん「レストランやカフェのランチタイムが混雑した時、1時間だけ働いてくれませんか?」

Bさん「いいですよ。いつでも声をかけてください。その辺のカフェで待機してますから」

こんな状況は絶対的にありえない。ただ、こんな状況を当たり前に作り出す必要が現代の日本の労働市場・労働環境にあることが事実上の課題である。上記のケースは人的リソースではなくテクノロジーなどといったシステムで解決するかもしれないが、在宅勤務(テレワーク)やフレキシブルな勤務体制を実現させるためにはこのくらいのインパクトを出せる仕組みが必要であるということだ。

ソーシャルビジネスには必ず社会的インパクトが付いてくる。誰がやるのか、いつからやるのか、それはすぐに結果がだせるのか。常に考えて考えて考え抜ける人でないと、「一億総活躍社会」「働き方改革」は名ばかり政策(施策)で終焉する。大手企業でもベンチャー企業でも個人でも良い。新しい労働市場を作り切ることで拓ける幸せが、日本国内には必ずあると言える。

みなし雇用制度が精神障害者にとって大切な理由とは?

投稿日:2017年07月13日

 

<障害者チームの声>

障害者雇用の問題は長い間、身体障害者と知的障害者を中心に考えられてきました。しかし、そのために精神障害者は捨て置かれてきたように感じられます。

 

しかし、2018年4月に精神障害者の雇用も義務づけられるため、漸く長年の不満が解消されるかと期待しています。とはいえ、今までも法定雇用率をクリアしている企業は少なかったといえます。その意味で、本当に期待してよいのでしょうか?と、考えている精神障害者は多いと思います。

 

そこで期待したいのが【みなし雇用】です。これは企業が、授産施設・就労継続支援事業所などに外注で業務を依頼することにより、いくつかの指標や評価基準を基に法定雇用率に換算するというものです。

 

外注する企業側にとっては、【みなし雇用制度】によって法定雇用率を達成しやすくなるというメリットがあります。もちろんそれだけでなく、法定雇用率を達成するあるいは障害者施設に外注することで発生する「特例調整金」や「特例報奨金」が支給されるというメリットもあります。これにより障碍者雇用の問題も解決されると期待したいところです。

 

この制度、即ち外注による【みなし雇用】に期待したいのは、従来の障害者雇用があくまで「雇用」を中心としているために、実際に漸く就職できても、心の病により定着できず、やむなく退職していく精神障害者が多いという問題や課題が、本質的に解決へと向かっていくということです。つまり、一般企業の障害者枠で働くのは難しくても、精神障害者などが授産施設や就労継続支援事業所等々で相当数就労(働いている)しているので、この外注を手段とした新たな雇用制度が非常にありがたいものとなるわけです。

 

このような背景や期待から、みなし雇用の制度が今後近いうちに整備されることになると考えられます。これは働きたいと考えている精神障害者にとってはまさに朗報です。

 

一方で、実際問題として一般企業の障害者枠での雇用環境は「続かない」というかたの声はよく聴きます。

 

そこには様々な要因があると思います。健常者と共にいる職場で働くのは、精神障害者にとってはハードルが高い。決して全員がそうではありませんが、事実として既に起きていることです。原因は多岐にわたりますが、例えば「緊張してしまう」あるいは「業務内容が難しい」といったケースが考えられます。しかし、授産施設や就労継続支援事業所ならば、休憩室が整備されていることや、精神障害者への対応に対するそれ相応の知識と経験がある職員しかいないといった環境があるため、精神障害者にとっては居心地がよく働きやすいということになります。中には、一般企業で精一杯頑張ってみたけど、どうしても継続して働くことが難しくなり、施設へ入所される方だっています。(これは決して悪いということではなく、あくまでこのような事実があるということをお伝えしています。)つまり施設の存在は、継続して働けずに退職してしまうといった問題の発生率を低くできる価値があるとも言えます。

 

こういったことから考えると、授産施設や就労継続支援事業所などへの外注が増えることが、精神障害者の生活環境を良くするうえで大いに役立つといえます。

 

精神障害者は貧困状態に置かれている人が多く、その環境改善を当事者としては一番に願っています。そのためには、障害者年金と賃金を合わせた額が、生活するうえで十分な額に達する必要があります。そうでなければ、生活保護を受けざるを得なくなり、様々な面でデメリットが大きくなってしまい、基本的人権が守られなくなってしまうという恐れや不安を感じながら毎日を過ごさなければならない-

 

みなし雇用を企業側に理解していただき、障害者を雇っている授産施設や就労継続支援事業所などへの業務の外注を行っていただくことが欠かせません。これは障害者にとっては死活問題なのです。

 

しかしながら、この【みなし雇用制度】により外注が促進されるだけでは本質的な解決にはならないとも考えます。数ある理由のうちの一つが、「仕事の管理体制」です。一般企業からの仕事には当然ながら様々なルールや納期などといった制約があります。持続可能な仕組みにするためには、企業側が望む成果を出し続けなければなりません。(アウトプット)このアウトプットには、様々な仕事を理解し、計画を立案し実行させられる力が必要です。この力が全ての障害者施設にあるかというと、Noと言えるでしょう。これは、力がないということよりも「障害に対するケア(サポートや支援という意味)」の専門家で構成されているため、そもそもビジネス(ここでは仕事という意味)を推進していく組織体制ではないということです。

 

福祉的な支援という観点や実行力があってこその就労という考え方は、決して間違いではなく、なくてはならない大切なことです。そのため、この【みなし雇用制度】については、就労(仕事の推進)をサポートしてくれる専門家や企業(ヴァルトジャパンなど)を絡めた【持続可能な仕組み】にしていく必要があると言えます。

 

精神障害者には様々な面で高い能力や実績を持っているかたがいます。彼らの力は企業のメリットに直結することは間違いありません。労働人口も減ってきている現在の日本で、精神障害者を新たな労働力として捉えた共通価値を創造していただきたいのです。

障害者の働き方改革の問題・課題とは?

投稿日:2017年06月12日

 

 

<障害者チームの声>

障害者の働き方改革の一例として、テレワークを一例に挙げながら解説と見解をさせていただきます。

 

IT関連の新技術の登場により、障害者の働き方を具体的に改善することが可能になっています。障害者に適した働き方の一つとして「テレワーク」という手段がありますが、しっかりとした成果を出すためには「テレワークをどう定義するか」が大切です。(一般的には、「ITを応用した情報通信機器を用いて、時間と場所に制約されずに柔軟に働ける」体制と示されています)

 

議論を具体的に進めるために、一例として、精神障害者の場合のテレワークにおけるメリットを挙げてみます。精神障害者は対人関係の構築に問題を抱えていることがあります。通勤に伴って…

 

  • 駅まで行けない
  • 適切に他者とコミュニケーションができない

 

という問題が発生することが考えられますが、テレワークによってこのような問題をクリアすることができます。

また、テレワークを実際に導入する場合には、テレワークに適した業務内容としてIT関連の業務を挙げることができます。

 

精神障害のみならず、障害が重度であっても指先を動かすことができればPCを使用して仕事ができます。また、精神や知的の障害であっても、一つの仕事が反復的であれば正確に勝つ継続的に仕事をすることができます。

 

些細なこと、小さなこと、あるいは当たり前のことかもしれませんが、障碍者の働き方改革が可能になる有力な手法であることは間違いありません。

 

一方で、障害者の在宅雇用の際に問題になるのが「企業の働き方改革」の実行力です。

企業における従来の働き方(フォーマットの枠組みのようなもの)に、障害者の在宅雇用を導入してしまうといろいろと問題が生じてきます。先ず、具体的に問題を挙げてみましょう。

 

  • 教育
  • 勤怠の管理
  • 対人コミュニケーション

 

教育について見てみると、被雇用者に業務上必要な知識を身に付けさせるにはオンザジョブトレーニングが必要になるのですが、重度身体障害者の場合には通勤することに大きな困難があります。業務を開始した後に会社で集合研修を行うことにそもそもなじみません。精神障害者や知的障害者の場合には、普段の教育以上に丁寧に教える必要があり、テレワークでの業務ノウハウの教示はそう簡単に進まないことが考えられます。

 

勤怠管理についてはどうでしょうか。テレワークの局面ではこの問題が重要になります。一般に障害者に関して言えば、体調に不良をきたしたり通院をしたりするために仕事に就けない日や時間帯が必ず発生します。仕事中に急に体調を崩して、仕事を中断せざるを得ないこともあるでしょう。

 

コミュニケーションについても、テレワーク特有の問題が山積しています。テレワークではフェイストゥフェイスの対面的なコミュニケーションを、通勤困難な障害者とどのように確保するかが問題になります。

 

以上のように簡単に顧みただけでも企業の働き方改革が障害者雇用の場面においては焦眉の急の問題であることが明らかです。

 

さて、前途に問題山積に思える障害者の雇用についても、近年、新しい風が吹いています。20-30代のソーシャルビジネスのアントレプレナーが障害者支援を目的とした新たなサービスを起業し始めています。障害者の雇用拡大や就労の支援をビジネスの枠の中で実現しようとする若い世代の努力です。こういったソーシャルビジネスのアントレプレナーの抱くエートスとは…

 

  • 社会を変えたい
  • 世の中の役に立ちたい
  • 誰かを支えたい

 

です。彼らアントレプレナーの抱く目標とは、言葉を換えれば、「障害者チームが社会を良くする」という状況を現出することです。「障害者チームが社会を良くする」という言葉は、単なる理想あるいは絵に描いた餅に過ぎないのでしょうか?わたしたちは、波乱含みに時代のトレンドを見据えていきたいと思います。

精神障害者からみる【みなし雇用】への見解とは?

投稿日:2017年05月12日

 

<障害者チームの声>

長年抱えてきた障がい者雇用の問題。

特に精神障害者の場合は、衛生・健康管理・身だしなみ等の生活支援に加え、判断力・コミュニケーション能力を補うノウハウが必要とされる。そのため、雇用する側の企業は、障害者雇用に消極的にならざるを得ない現状(課題)が発生する。

 

障害者雇用の問題や課題は決してこれに限ったことではないが、容易ではないことは確かだ。

 

この問題や課題を解決する手段として考えられていることが「みなし雇用」だ。障がい者への仕事の供給手段を「外注」とすることで、循環型の経済システムを構築する方法だ。障がい者を雇用する際に考えられる人的コストと教育コストを考えると、正式雇用よりも外注のほうが企業にとってはハードルがはるかに低くなると考えられており、なおかつ、障がい者に外注する企業のメリットとしては「経済的なインセンティブ」と「社会的評価あるいは価値の創出」が生まれる。

 

しかしながら現状では、正式雇用と違って外注で障がい者に仕事を依頼(委託)することに対して「企業にとってメリットが少ない」ことが明らかになっている。(障がい者への仕事の発注が増えていないのは原因の一つと考えられる)

 

そこで、障がい者に仕事を外注する企業に対する優遇措置として、まだ制度化はされていないが、障がい者雇用促進法の制度改正、いわゆる「みなし雇用」への優遇が求められている。

 

【主には、以下の三つの改正が求められている】

 

・みなし雇用制度法定雇用率への加算計上

・調整金・報奨金

・優遇税制

 

【精神障害者からみる【みなし雇用】への見解】

人生の途中で精神障がい者になった私は、コミュニケーションなどの問題で就労継続支援A型事業所に通所することになりました。

 

精神障がい者でA型事業所に通所している立場から考えてみると、企業の経済的かつ社会的な発展のためにも、障がい者雇用の観点から見ても、「みなし雇用」の推進と外注業務(アウトソーシング文化)の発展は不可欠であると思います。

 

これまで、障がい者に対する就労計画は全国の至る所で行われてきましたが、それも大多数は知的障がい、身体障がいに行われてきました。しかし精神障がい者に対してはどうでしょうか?見てくれだけで判断し、当人が抱えている問題に気付かない等、精神障がい者は企業に軽視されやすい傾向にあります。

 

「障がいがあっても頑張ろう、支え合おう」「障がい者を戦力にする」が本当の目的のはずなのに、ハラスメントの標的になってしまったりする事案が後を絶ちません。企業側は一度雇った以上、障がい者でもこんなに出来るんだぞ、と成長させる必要があるはずです。

 

それこそ、外注(アウトソーシング)をして働きやすい環境を整えたり、色々出来ることはあります。その努力を怠りながら「採用する事実だけに目を向けること」は、法律遵守のために「あなたの手帳が欲しい」と言っているのと同じです。これは企業の(法定雇用率)メリットになると考えている証拠です。

 

一方で、障がい者の方にも課題点があります。それは、自分で考え、辛いことがあれば相談する、といった心のコントロールが必要ということです。企業側からは「成果を出そうとしない」「甘えている」という意見がちらほら出ているのも事実です。原因の一つとして考えられることが、大半が家で過保護状態になり、「会社が助けてくれる」「きっと手伝ってくれる」という考えが出てきてしまったからです。その為、仕事も疎かになり企業からは「甘えている」と思われてしまいます。(一概に断定できることではありませんが)

 

企業側と障がい者側がどう歩み寄るかが今後の課題だと思います。

 

通常雇用が、「戦力・売上アップ」のために人を雇用するのに対し、障がい者雇用は法律遵守のために障がい者手帳を持っている人を雇用するという社会的な構造。このジレンマを抱えながら双方が認めあって努力を重ねなければ、現在の障がい者雇用の問題解決には至らないと考えます。

 

精神障がいが軽視されており心を痛めている私ですが、いつかもっと笑顔で仕事ができる様になればいいな、と思っています。