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地方障害者の労働とサテライトオフィス雇用

投稿日:2017年12月22日

障害者の就労意欲は近年急速に高まっている。

障害者雇用促進法の法定雇用率において、民間企業に対して雇用する労働者の2.0%に相当する障害者を雇用する、という事を義務付けていますが、現実的には様々な課題が多く残されており、就労できない障害者の方が数多く存在しています。

問題としては、障害者雇用を行っている規模の企業が通勤可能な範囲内に無い、という事であり、問題そして課題として大きな一点であると言えます。

法定雇用率の対象となる民間企業は従業員50名以上の企業であり、都心部ならば該当する企業も多く存在しますが、地方では小規模の会社が多く、障害者の方が労働意欲を持っていても、障害者雇用を行っている企業の存在が少数になっているのが実態。

また地方の企業は、働き方改革のテーマとなっている少子高齢化による労働人口の減少に悩まされている企業は多いものの、小企業が多いことから法定雇用率に対する意識を必要とはしない為、これも地方の障害者が働ける企業が少数しかない要因の一つとなります。

そこで今後、地方の障害者の期待とされるのが、大企業が集中する都心部の法定雇用率の対象となっている企業と共に推進していく「地方での障害者特化型サテライトオフィス」の展開です。

現在、サテライトオフィスを展開している企業はかなり増えては来ているものの、本社と同じ都心部でのサテライト化を行っている企業が多く、地方でのサテライト化はまだまだ充実しているとは言えない状況です。法定雇用率の対象なる都市部の大企業が地方へのサテライトオフィスを展開することで、地方の障害者の就職率の上昇が期待できます。

但し、それだけでは地方の労働意欲を持っている方の、全ての就職場所の確保までは届きません。現在の民間企業の法定雇用率は2.0%であり、50人規模のサテライトオフィスを展開しても1名の障害者の雇用枠しか発生しない為です。

2%の枠に捉われず障害者がメインとなるサテライトオフィスの展開により、飛躍的に障害者の雇用率が上がります。つまり、義務として障害者を雇用するのではなく「戦力」として障害者を雇用する時代が拓かれるわけです。

障害者特化型サテライトオフィスを、大企業を対象に義務化・制度緩和などを実行すれば、飛躍的に障害者の雇用先が増えることになります。

しかしこの場合、サテライトオフィスを展開する企業の負担が相当大きくなるのではないか?という課題や疑問があります。

まずは、設備面。

当然ながら通信設備が必要となり、費用面の負担が相当なものになります。

この課題をクリアする為には、国の支援が必要となり、義務化と同時にして、企業への支援金が必須と考える意見もあります。

次に勤務する方たちの管理方法。

近年個人の価値観が多様化する中、契約社員、フリーアルバイター、フレックスタイムと多様化する中で、企業はその管理能力を付けなければなりません。これには一定の期間が必要となりますが、働き方改革の少子高齢化、労働人口の減少の観点から見ても迅速に進めていく必要があります。

その為には、企業内の管理能力に対しての人材育成が急務です。

法定雇用率の対象企業は社会的責任の観点から見ても、地方の雇用、特に障害者雇用に目を向け、障害者特化型サテライトオフィスの設置をするべきであり、ある程度時間がかかるとみられる、管理者の人材育成を現段階から行うべきです。

民間企業について記載しましたが、早い段階から準備が必要となるサテライトオフィスの管理者育成は、地方自治体や教育委員会等、その他の法定雇用率が適応されている団体も、早急に実施するべきと考えます。

これらのことから、【中間就労(就労継続支援事業所など)】【障害者雇用】【在宅就労】の3つを障害者当事者自身が選択でき、かつ自分自身の社会的な存在価値や存在意義を感じられる機会を増加させることが重要であると断言できる。

この業界をより良くするためには、リーダーは必要かもしれないが、一匹狼ではダメ。

ヴァルトジャパンはこれらを実現させるために、あらゆる企業、障害者施設、業界団体、行政(地方自治体)、そして障害当事者の方々と共に事業を展開していきたいと強く願っています。

障がい者の雇用における”選択肢”と”機会”を考える

投稿日:2017年12月02日

近年では、法定雇用率に精神障がい者も含まれるようになり、一般企業でも障がい者の雇用が進みつつあるように感じる。しかし、中には法定雇用率を達成しなくても、罰金を支払えばよいだけと考えている企業もあるのも実態。一部の意見ではあるが、こうした企業に対しては罰金だけではなく、法定雇用率未達成企業として、国による公式的な公表も必要なのでは?との声も聞こえる。

当然ながら、企業には企業の考え方や課題などがあり、一概に”企業が悪い!”と断言するのは難しい点があるのだが、当事者の率直な声は「企業には是非とも、社会的責任を果たしてもらいたい」であり、その想いは心からの願いであったりもする。

さて、障がい者といっても、経歴や技術などは健常者と変わらない良いものを持っている人はたくさんいる。特に、精神障がい者については一般企業に就労後、発病することも多々あり、技術的には問題ない人がたくさんいると思う。

しかし、精神障がい者は疲れやすかったり、物事を気にしすぎる傾向にあるため、長時間労働にはむいてない気がする。そのため、働き方改革として障がい者にもフレキシブルな勤務を認めるなどして、その人その人が働きやすい環境を皆で作り上げていく必要がある。もし、それがだめなら何人かで1つの仕事を分担し、休憩しながら交代で仕事をする方法もありだと思う。特に、工場などでは有効な手段ではないかと思う。

上記のことをふまえ、無理なく1人1人が仕事をし社会貢献していく方法を考える必要がある。その一つの方法が障がい者特化型のサテライトオフィスであると思う。これは障がい者のみが出勤できるオフィスのことである。当然、障がい者のみが出勤できるオフィスということは、導入時は健常者の人に仕事のきりわけをしてもらい健常者の人の仕事を与えてもらうなどの苦労はあると思う。

しかし、それも最初だけだと思う。なぜならば、その分マニュアルなどを充実させ、誰でもわかるようにさえしておけば障がい者でも仕事が覚られ、最終的にはその人がいなくては困るという”戦力的人材”に成長していけると思うからである。
ただ、できないことも当然ある。
緊急の事態などの時は窓口を設けるなどして配慮してあげることも必要であると思う。要するに1人1人が輝いていける職場こそサテライトオフィスの狙いである。

サテライトオフィスができない場合には、似たようなものだが障がい者就労継続支援A型というものがある。これは、障がい者自立支援法の中のサービスの一つで、障がい者は最低賃金が保証されながら働ける仕組みである。近年では、企業が就労継続支援A型を経営(市場参入)する事業所も増え、市区町村からサービスの対価として給付金をもらいながら障がい者に就労環境・就労支援というサービスを提供している。提供された給付金を障がい者が仕事をするための機械代にあてたりすれば仕事もできるし、売り上げも上がる。

当然、就労継続支援A型を企業がするためには、企業としての収益構造、仕事があることが必要最低条件ではあるが、これされクリアしていれば、給付金をもらいながら、障がい者の働く場所を提供していくことも可能である。

また、就労継続支援A型は企業側にとっては障がい者の特性を把握することができるなどのメリットがある。その理由として、そこにはサービス管理責任者などの専門知識を持った職員を必ず配置しないといけないからである。
当然、就労継続支援A型はサテライトオフィスに移行するまでの前段階である。なぜならば、税金(社会保障費)を使わずに企業が自らの収益で障がい者を雇用することが一番良いと考えるからである。

以上のことをまとめると、企業は社会的責任を果たす必要があり、その中の一つに障がい者の雇用があり、障がい者が働きやすい環境を企業が提供する必要がある。その方法の一つとして、障がい者特化型のサテライトオフィスなどがあり、まさに障害者にとっては”選択肢”の増加と”個人の存在価値””個人の存在意義”を強く感じられる”機会の増加”が、目の前にあると言える。

障害者特化型サテライトオフィスの必要性とは

投稿日:2017年10月25日

<執筆:在宅障害者チーム>

障害者特化型サテライトオフィスの必要性とは

 

2020年東京五輪に向けて東京都では、交通渋滞や満員電車の解消を促しています。その方法として会社に出社するのではなく、都心から離れたサテライトオフィスに行き仕事をするという遠隔勤務という出社の形である。

 

このサテライトオフィスを利用することによって、都心まで行かなくても仕事ができることになるので、東京都の交通問題の緩和や国が推進している働き方改革にも繋がることにもなる。海外でもサテライトオフィスを利用している企業は多く存在しており、まだまだこの動きは進んでいくと言われている。現在の日本でもサテライトオフィスを利用している企業も増え始めているがまだ浸透しきれていないのではないのかと考えられる。

 

そこで私たちは『障害者特化型サテライトオフィス』を開始し推進する。文字として記されている通り、障害者専用のサテライトオフィスであり、企業に出勤することで発生してしまうストレスなどがなくなることで、働きやすい労働環境が実現されると考えている。また精神障害者の離職率軽減にも繋がると確信している。では何故そこで障害者を取り上げるのか。

 

それは社会問題の一つである、労働人口減少による『人手不足の解消』にある。

 

現在日本の労働人口は減少傾向にあることは周知の事実であろう。ただでさえ労働人口が減少しているのにも関わらず、少子高齢化により退職する人材が多くなってしまい、どの企業も人手不足で外国人を雇用するなどして少しでも人手を確保しようと必死である。しかし日本にはまだ潜在的な労働人材が多くいることを忘れてはならない。その一例として障害者であろう。

 

では日本にはどの程度の数の障害者がいるのであろうか。

 

平成28年版障害者白書の参考資料、障害者の状況(基本的統計より)から抜粋すると以下のような数字が見て取れた。

 

◆平成23年時の値

〇身体障害児・者(在宅):約386万人

〇知的障害児・者(在宅):約62万人

〇精神障害者・外来:約361万人

 

上記のように日本の障害者の数はこれほど存在しているのである。その中でも働き方改革によって2017年4月に障害者雇用促進法の改定で新たに精神障害者が法の適用範囲に入ったことから、企業は法定雇用率を達成するために精神障害者の雇用機会はこれから多くなっていくと考えられる。

 

こういったソーシャルビジネスとCSVがもたらす相互作用は未知数だと言っても過言ではないだろう。そのため障害者特化型サテライトオフィスの存在は非常に価値あるものとなっていくだろうと確信している。障害者特化型となっているのは当然だが、健常者用のサテライトオフィスでは対応ができないことが多分にあるためである。

 

その理由として以下のようなことが考えられる。

 

精神障害者の難敵ともいえるのが『ストレス』である。この目に見えない存在は、外的な要因でも内的な要因でも精神障害者には相当な負担になり、身体に様々な症状を引き起こし酷い場合にはその症状によって寝込んでしまいかねない状態になってしまう。そこで精神障害者へのストレスフリーな空間創りというのが課題になる。

 

筆者として考えられるものがあるとすれば以下のようなものであろう。

〇仕事をする場には精神的に落ち着く状態を提供する

〇カウンセラーなどのサポートスタッフの常駐や体調不良時の休憩スペースの確保

〇障害者同士のコミュニティの場の提供

 

非常に漠然としているが、今すぐ思いつくのは上記のようなものだろう。今後、障害者を交えての議論を行なっていくことでより良いサテライトオフィスとして提供できることになるはずである。

 

こうしたソーシャルビジネスとCSVの相互作用は、これから企業が取り入れるべき課題として十分な理由があるだろう。精神障害者は人材としての価値も高く、戦力としても申し分のないスキルを持っている者も多い。企業としては法定雇用率の達成の方を気にしているかもしれないが、精神障害者が戦力として欠かせない存在となれば、働き方改革としても企業の経営戦略としても大成功となるはずだ。そうなれば障害者へ向けられる目も良くなり、社会全体が健常者と障害者の枠組みとしての関係が良くなることを期待していきたいと思う。

ソーシャルビジネスの未知数な可能性

投稿日:2017年10月12日

<執筆:在宅障害者チーム>

『障害者雇用促進法(以下、雇用促進法)の改正』

2016年9月に働き方改革への取り組みを提唱し、現在多くの企業で就労や雇用方法などの見直しがされ、2017年4月の改正で今まで様々な機会に恵まれなかった精神障害者も雇用の義務化が法律に規定されました。これにより精神障害者だからと言って雇用の機会を失くすような状態から脱却されようとしている。

 

ではその雇用の現状はどうなっているのだろうか。

 

実際のところ対応できている企業は少数で、日本社会全体が対応するにはまだまだ時間が掛かりそうだ。精神障害者の雇用義務が規定されても企業内の整備が整わないのであれば致しかたない。ともあれ、平成30年4月からは障害者の法定雇用率の値が上がることもあり、企業側はその対応に四苦八苦していることだろう。

 

一方で、精神障害者は今どのような想いを抱いているのだろうか。

 

恐らく一様に不安しかないだろう。今まで企業から見向きもされなかった精神障害者にとって、手のひらを返されたように積極的に雇用しますと言われて素直に働けるものなのだろうか。精神疾患の度合いで変わるだろうが、それはとても難しいと言わざるを得ない。法律で雇用義務が規定されているから雇われているだけではないだろうか。という疑念は精神障害者にとっては払しょくできないものなのである。

 

では企業側はどうだろうか。

 

企業も何の理解もなく精神障害者を健常者と同じように扱うことはできないことは理解しているであろう。精神障害者をどう扱うか不透明なままならば、あくまで義務化に従うということで簡単な仕事だけやってもらうという企業方針では給付金目当ての状況を作ってしまうことになる。この状況での雇用の義務化は、良い意味でも悪い意味でも理想でしかない。そこを理想で終わってしまってはもったいないし、ソーシャルビジネスとして活かしていけるかが課題となるだろう。

 

そもそも論として、精神障害者の多くは企業が求める人材として申し分のないスキルを持っている。

 

精神障害を抱えてしまった障害者の多くは、社会人として働いていた人達であり、様々な理由で精神疾患を抱えてしまい社会から離れてしまった人達なのである。

例えば、新卒採用で企業に入社し頑張って働いて結果もちゃんと出していたが、不況の煽りを受け精神疾患を抱えて会社を辞めざるを得なかった人だったり、真面目で頑張り屋だったがストレスを溜め込んでしまって精神疾患を抱えたりと、社会で真面目に頑張ってきたが途中で何らかの理由で足を止めてしまった人達が多くいるのだ。そして通院しながらも再就職を試みるが、精神疾患が再発してしまってすぐに退職するという形になり就職に対する高い壁に絶望してしまうことになる。

 

こういった例の様に、企業で積んだ様々なスキルやノウハウを発揮できずに就職したくてもできない精神障害者は多くいるのが実情なのである。元々は真面目で向上心を持って仕事をしていた人達であるため、働きたいと考えている精神障害者は思っている以上に多いと考えられる。通院しているなら尚更、より良い精神状態に回復するために今も頑張って前を向いている状態なので、徐々に社会復帰していくという意味でも雇用の機会があれば積極的にチャレンジしてくるだろう。

 

このようにチャレンジしてくる精神障害者の多くは、自宅では比較的健常者に近い健康状態を保てていることがあるので、在宅就労という形で本格的な仕事をすることができるだろうと考えられる。在宅であれば、地方の実家で療養をしている精神障害者にも平等に雇用の機会が与えられる。また東京都は2020年の東京五輪に向けて、交通網の混雑軽減や人口の一極集中の緩和を実現するために、在宅就労を推進する動きが見られている。こういった世の中の動きを鑑みれば、在宅就労という就労形態はこれからの社会において必要で必須の在り方と言えるかもしれない。となれば、優秀な人材の宝庫である精神障害者をソーシャルビジネスとして在宅就労という形で雇用することは、企業の戦力としてなり得るだけではなく、長い目で見ても利益として得られるものは多いと考えられるのである。

 

以上のことを踏まえると、今企業が為すべきことは精神障害者の理解とソーシャルビジネスの展開への投資ということになるのではないだろうか。精神障害者をただの雇用義務として雇うのではなく、ソーシャルビジネスとして展開していき新たな企業の戦力と考えていくことで企業の更なる成長へと繋げていく。そのような企業が増えていくことで、不足している労働力を補えることにもなるうえ日本社会の経済もより回っていくようになっていくかもしれない。現在のソーシャルビジネスの可能性はまだまだ未知数であり、それをどう活かしていくかにより様々な成果を出せる分野であるということを一層理解してもらいたい。

障害者自らが創らなければならないソーシャルビジネスがある!

投稿日:2017年08月30日

<障害者チームの声>

現在、障害者の働く環境は大きく変化しています。

そして健常者が働く一般の企業も大きく変わらなければならない状況に立ち至っています。

企業の働き方改革が叫ばれ、長年の長時間労働の悪習を改めなければならないことは企業もわかっていると思います。近年特に多くなってきた”働き過ぎからくる過労自殺”は大きな社会問題です。この貴重な人的資源の浪費、人権無視の状況は変えなければならないのです。

また、障害者の働き方改革も喫緊の問題といってよいでしょう。

長い間、貧困状態の劣悪な環境に障害者、とりわけ精神障害者は置かれていました。そして現在も置かれているのです。だからこそ、この状況を変えることは絶対に必要なのです。それでなくても、少子高齢化社会への急速な進行により、労働力人口が減り、激増する高齢者を激減する現役世代が支えなければならないという、いつ行き詰っても不思議のない状況となっている現在。新たな労働力は、政府が盛んに述べている”女性”だけではないのです。その新たな労働力として、精神障害者を捉え、ピンチをチャンスに変えるのがソーシャルビジネスではないかと考えます。つまり単に利益を追求するのではなく、社会への意味を重視して、その問題点を解決しながら利益を上げていくことが企業に求められている時代なのです。

そこで障害者チームが社会をよくするといった視点を企業が持つ必要があるのではないかと、ここに提言します。今まではともすると、社会の枠外に捨て置かれていた精神障害者の積極的な活用が重要となるでしょう。

もちろんそのためには、障害者の意識が変わらなければならないのは言うまでもありません。高い意識を持って働くことが必要となります。

企業の働き方改革により残業を減らし、雇用者を増やして一人当たりの労働時間を減らす必要は昨今叫ばれていますが、なかなか実現していません。そこで精神障害者を雇用するだけでなく、企業によるA型事業所などへの外注を増やすことで、精神障害者も単に一般企業に障害者枠で雇用されるだけでなく、A型事業所などで働いて、かつ生活できるだけの賃金が得られるようにする必要があります。それにより、一般企業の業務を一定量は受託で賄うことができるようになります。これは、2018年に精神障害者の法定雇用率がキチンと定められることを考えた場合に必要になってくる方法といえます。これは障害者の働き方改革の問題であり解決策でもあると考えます。

こういったことを考えると、ソーシャルビジネスの必要性は今後ますます増してくるでしょう。現在の世界は貧困の問題に満ち溢れていますが、これは日本も例外ではありません。格差社会への進行のスピードが速すぎて、解決が難しくなってきているように思います。

そこで、障害者チームが社会をよくする機会を増やすことが重要であるという考え方が生まれてきているのです。

これはどういうことかというと、障害者には実は優れた能力を持った人材がかなりいるということです。そして、とにかく弱肉強食になりがちな日本社会で、弱者の視点を持つ精神障害者が社会に積極的に関わることにより、日本社会全体の風通しがよくなることが期待できます。こういった考え方は従来あまりなかったと思いますが、だからこそこうした考え方を大きく打ち出すべきだと思います。ここから発想することにより、社会は大きく変わる、つまり良い方向へ変わる可能性があるといえます。今までこういった考え方がなかったために、日本社会は労働市場(環境)の停滞から抜け出せなかったのだと思います。(発想の転換が必要)

精神障害者はマイナスだと切り捨てるのではなく、そのパワーを大きく活かすべきときが来たのです。

社会的弱者は社会的価値を生み出せないのか?!

投稿日:2017年08月05日

社会的弱者は社会的価値を生み出せないのか?!

社会的弱者は「機会が不足」している。

一人ひとりが望む意志によって、この「機会」というものは当然ながらさまざまだろう。

 

大きい枠組みの中で考えると、断言できることがある。

それは「社会的弱者は社会的価値を必ず生み出せる」という事だ。

むしろ、社会的弱者が生み出す社会的価値は”人々の記憶に残る偉大な価値になる”と信じている。

組織(ここでは企業とする)が生み出している価値は、個がもつ価値の集結により創出されているものだという考え方がある。多様性(ダイバーシティ)という言葉が、多くの場所や機会で用いられている状況が見受けられるのも、おそらく時流なのだと考える。

個がもつ価値というと、私たちが推進している障害者アウトソーシングチームの業界である「障害者就労業界」でも日々熱い議論が行われている。(「障害者にも個性がある」「障害者には人にはない突出した能力がある」など)個の存在に対する価値をここまで熱く強くそして大切にしている業界は、可能性に満ち溢れていることに間違いはないはずだ。

では、障害者自身はどのように考えているのだろうか。当然ながら、一人ひとりが考える「価値」自体が異なるため断定的なことは言えないが、少なからず”自分(個)には価値がある”と感じられていない人が実際に存在していることは間違いない。特に、精神障害者と意見交換をするとこの事実は必ずと言っていいほど起きる。

「社会的弱者は社会的価値を生み出せるのか?!」という議論の前に、”まずは社会的弱者自身の価値を生み出す必要がある”と考えてしまうのだが、この考え方は就労(仕事)をする事に対して言えば”実にハードルが高い”と感じる。個の価値というのはまさに「実力・経験・感性」で構成される極めて少数の方々から生み出される(マイノリティ)ものである。個の価値というのは、一見誰にでもあるようで、実際には今日という1日の中で”個の価値”を感じられる機会なんてほぼ無い。だから”自分の存在価値”の是非や在り方などに苦しむ。

“知性の集結価値”という考え方がある。これは、著書「TEAM OF TEAMS(スタンリー・マクリタス)*日経BP」を拝読して得た大切にしたい考え方の一つ。この考え方は、「スティーブン・ジョンソン」の著書『創発』(ソフトバンククリエイティブ刊)と共に綴られており、女王アリによるトップダウンの司令でコロニー(巣や秩序とする)は保たれているという考え方で有名な「女王アリの神話」を挙げながら”知性”に対する考え方や価値について説いている。

*ここでは、社会的弱者をアリに例えたい訳では全くない。本質的な論点を正確に認識して頂けたら幸いです。

「スティーブン・ジョンソン」の著書『創発』によると、精密精巧に作られているアリの巣は、女王アリによる集団(そのほかのアリ達)への統制力や管理力のもと作られているという訳ではないという。どのアリにも、「食べ物の貯蓄倉庫」や「緊急脱出出口」などの機能を持たせた最適化された巣を設計する能力は無いという。

結論、アリの本能的能力やアリが残したフェロモンの種類*1(*1Johnson,Emergene,52ページ)でパターン認識しているということのようだが、ここで伝えたいことは、複雑化された”一人ひとり異なる性質や能力”は”連結”させる事が可能なのではないかという事だ。

実際に、ヴァルトジャパンと共に仕事を推進している障害者チーム間では、それぞれの特異性(スキル等)や状況(品質や納期,当事者の体調変化等々)に応じて、柔軟に相互連携が行われている。

前述した、”個の価値”を感じられる機会なんてほぼ無い。だから”自分の存在価値”の是非や在り方などに苦しむ。という内容に戻ると、この”連結”には「個の存在価値」を体言化できる要素がメチャクチャ含まれていると感じる。

現に、障害者チーム何百人が一斉に関わる大型プロジェクトでは、相互連携により見事にプロジェクトを成功へと導き、日本全国の地方都市の活性化の一助となれたと、私たちは自負している。

冒頭に申し上げたが、社会的弱者が生み出す社会的価値は”人々の記憶に残る偉大な価値になる”社会が、1歩ずつ現実社会へと姿を見せている。

 

“個がもつ価値の集結により、社会的な価値を創出する事ができる”

“個の価値は、個の相互連携により生み出す事ができる”

“社会的弱者が生み出す社会的価値は「人々の記憶に残る偉大な価値になる」”