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ダイバーシティの本質
“ダイバーシティ推進室 白井 長興”

投稿日:2017年02月05日

 

ダイバーシティの本質

 

外資系企業でダイバーシティ活動を行う上で、日本で言われているダイバーシティとは根本的な違いがあることを認識しました。

 

私自身も“ダイバーシティの意味”で述べた通り、多様性がある人達が社会で活躍できる土壌を作ることが、ダイバーシティの終着駅であると思っていましたが、これはあくまでも入り口に過ぎなかったのです。

 

ダイバーシティの本質とは、女性、障碍者、LGBT、国籍など様々な特性のある人を認知し、その能力を最大限に発揮してもらいチーム力を高めて成果を向上させる、そのマネジメントのことを指していることに気付きました。

 

私自身その様な職場で働くことで企業により貢献していく為に、上司や同僚がどの様なことを求めているかを考えながら、常に120%の成果を上げられる姿勢で仕事に向き合うことができました。その姿勢に障害の有る無しは関係なくなっていました。

 

次に、ダイバーシティの対象者についてですが、これも初めにダイバーシティは特定の人のみを優遇することではないとも述べましたが、実は全ての人が対象者となり得ます。日本で働いているのであれば問題がないかもしれませんが、世界に出て働くことになった場合、あなたは外国人となります。

 

突然怪我や病気になることはもちろん、AI(人工知能)による仕事の激減や、世界情勢が不安定になりつつある中で、大きな変化が起こるかも知れません。いつ自分自身に大きな困難や障害が降りかかってくるか分からない時代になりつつあります。その様な中で多様性を活かす社会ができることによる恩恵は、結局は我が事になるかも知れないのです。

 

障碍がある当事者として皆様にお伝えしたいこと、それは障碍者が働きやすい環境は、健常者にも働きやすい環境であるということです。

 

今後AI社会の到来により、クライアントのニーズも国内外に留まらず、多様化していくのは必然です。言語の壁も消えてアメリカで発売された商品を、消費者が今よりも簡単に購入できる時代がすぐそこまできています。こうした社会の変化に対応するためには、企業や学校、地域社会こうした社会の変化に対応するためには、企業や学校、地域社会が多様化を認知し、知恵を出しあい協力することが求められているのです。しあうことが求められているのです。

 

変化や対応が遅れてしまうと、日本におけるダイバーシティはアジアで最も遅れた国になってしまうかもしれません。しかし、日本は動き出したら世界で最もスピードのある国でもあります。私はその国民性に大いに期待しています。

ダイバーシティへの接触
“ダイバーシティ推進室 白井 長興”

投稿日:2017年02月05日

 

ダイバーシティへの接触

 

私が15歳の頃に事故によって障碍を負ってからしばらくの間、障碍者であることを理由に色々な場面で勝手に諦めてきました。

 

「障碍者だから企業には就職できない」

「恋愛ができない」

「やりたいことも我慢する」

 

しかし、車椅子が私の足となってからの時間が、健常者であった時間を越した頃、自分の可能性に目を向けるようになり始め、3.11東日本大震災をキッカケに自分にできることは何かを真剣に見つめ直しました。そうすると本当に沢山の人に支えられてきたお陰で今の自分があり、それを今度は社会へお返ししたい想いが生まれ、私の人生の目的ができました。その目的の為に様々なことにトライすることになります。

 

その一つが英国に本社を置く外資系金融機関への挑戦でした。私はそれまで障碍者や高齢者のお宅にホームヘルパーさんを派遣する会社に10年間従事し、管理者として80名近い従業員をマネジメントしてきました。その経験がはたして企業で活かせるか、不安もありましたが覚悟を決めて入社しました。

 

勤務地は憧れの六本木ヒルズ、配属先はIT部で監査対応や業務のサポートを行う部署でした。そして私にはもう一つ役割があり、ダイバーシティ推進の委員として障碍について社内外で認知を高める活動を行うことです。

 

その委員会の名称はReachと呼び、英国、アメリカ、日本、シンガポール、香港、インドの順に発足し、障碍がある当事者が実施主体として活動するグループです。障碍者のグループの他にも女性活躍、LGBT、文化国籍、家族など様々なダイバーシティ推進のグループがありました。

 

Reachの活動は、マネージャークラスによるサポートの元、明確な役割を与えられた上で予算が執行されワークショップや各種イベントを主催して啓蒙していきます。つまり、社内で障碍当事者が働きやすい職場環境を自らが同僚に伝え、その環境を整備していきます。

 

またこれらの活動は、アジアのダイバーシティ優良活動としても紹介されています。日本企業では残念ながら野村グループのみとなっています。

 

http://www.communitybusiness.org/DIAN/2016/DIAN-Deliverables-2016-Digital_EXT.pdf

(URL:アジアのダイバーシティ事例紹介PDF)

 

何度かReachのイベントへ森ビルの関係者をご招待した所、森ビル内の改善ポイントなどを提案する機会があり改善に繋がりました。

外資系企業に勤めて分かったダイバーシティの本質
“ダイバーシティ推進室 白井 長興”

投稿日:2017年02月02日

 

私は障碍がある当事者として危惧していることが一つあります。それはダイバーシティが誤解されたままダイバーシティアレルギーを発症してしまう日本人が増えていってしまうのでないかということです。

 

 

|ダイバーシティとは|

 

まず皆さんはダイバーシティと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

 

・女性の役職登用

・障害者の雇用

 

多くの人はこの2つを挙げるものと考えますが、そもそもこの言葉を知らない人が多数を占めるのが現状かもしれません。私自身もこの言葉を見聞きしてきましたが、前職の外資系金融企業でダイバーシティ推進委員として活動していく中で、初めて意味と本質を学んできました。

 

このダイバーシティとは、日本語で「多様性」と訳されます。そしてこの多様性をデジタル大辞泉で調べると以下の意味となります。

 

”いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと。”

 

ですが単純にダイバーシティ=多様性としてしまうと誤解を生むこともあります。社会におけるダイバーシティとは“多様な人材を社会で積極的に活用する”といった意味になりますが、多様性を全員が受け入れなければならない、その社会的責任による強制と誤解して捉えてしまい、ダイバーシティアレルギーを発症してしまう人もいます。

 

ただ、ダイバーシティの本質を理解していればこのような誤解からアレルギーが発症することもありません。そもそもダイバーシティとは特定の人のみを対象とした優遇措置でもないということを理解できるものと考えます。

 

障害者の誤解と活用
“ダイバーシティ推進室 白井 長興”

投稿日:2017年02月03日

 

 

|障碍者の誤解と活用|

 

日本における雇用状況は、障碍者の雇用に限らず全体的に改善傾向にありますが、正規雇用が減り派遣労働者が激増しているのが現実です。そのような日本で、障碍者の雇用を実行するのは覚悟がいる。または、余裕がないからとハナから諦めている企業は多いでしょう。

 

企業としても軽度の障碍者は別として、重度障碍者を受け入れるのは大変だ、障碍者はできないことの方が多いのではないか?サポートする余力もない中で何故雇わなければならないのだろうかと考える人もいるでしょう。

 

しかし重度障碍者=何もできない人というレッテルは誤りです。確かにできない事や、サポートがどうしても必要な事はありますが、それは健常者であっても同様に、例えば営業職は事務職のサポートに支えられているように、障碍者パソコンや読み上げ装置等の機械のサポートがあれば充分企業に貢献していける可能性があるのです。

 

むしろ役割を得た喜びから前向きに働く姿勢や、黙々と与えられた役割をこなしている姿を見た健常者の意識を変えることがしばしば起こります。車椅子の人が通りやすくする為に通路を整理したり、知的障碍や発達障碍がある方向けに書類やマニュアルを分かりやすく作り変えたことで、円滑な引き継ぎができるようになるなど、社内の空気が変わったという事例もあります。

 

また精神障碍者や身体障碍者の中には元々健常者として働いてきた人も多く、障碍に関する情報共有を上司や同僚へ適切に行い、その人に合った環境整備を用意したことで、充分な貢献ができる戦力になり得たケースも数多く存在しています。

 

資金的・人員的な余裕がない場合は、障碍者雇用に関する各種助成金や補助金も活用できます。ハローワークや高齢・障害・求職者雇用支援機構など、様々な公的機関による助成金や補助金があります。

 

障害者の雇用状況から見る「将来の就労傾向」
“ダイバーシティ推進室 白井 長興”

投稿日:2017年02月02日

 

 

|障碍者の雇用状況|

 

昨今、大手企業や中堅企業の職場環境は改善され、障碍者の雇用も伸びつつありますが、一部の障碍者を除いて業務領域が非常に限定的(簡易作業、ルーチンワークや就労継続支援事業、特例子会社等への所属)です。

 

法定雇用率(一定条件以上の企業に課せられた、全従業員の内の2%障碍者を雇用しなければならない法律)を満たし、障碍者を雇用することをゴールとしている企業も少なくありません。

 

処遇の面からみても、一般的なサラリーマンの平均年収でもある400万円を超えている障碍者は全体の4%しか存在していません。働きたくても生きるための選択肢として、生活保護や障害年金に頼らざるを得ないこともあります。その様な状況の中でも働きたい、役割を持ちたいと考えている障碍者は沢山います。

 

もちろん軽度な障碍者に限らず重度な障碍者も少なからず適切な処遇や環境で雇用されています。しかしその多くが身体障碍者であり、知的障碍者や精神障碍者との雇用数の差は依然としてあります。

 

また世界情勢との比較では、福祉先進国と言われているスウェーデンの全障碍者における就労率は66.2%にも及び、私の前職の本社がある英国でも47.6%となっています。片や日本における実雇用率はどの機関からも出てないのですが、大まかに20%台と言われています。

 

日本と欧米では環境や障碍者の定義が違うのはもちろんのこと、英国とスウェーデンでも事情が異なっているので、単純にこの数字との比較はできませんが、将来的に日本においても就労率を増加させていくことは可能であると考えられます。