心のこもった清掃で快適な居住空間の提供に貢献。清掃業務を通じて障がい等があるワーカーさんがやりがいをもって働ける環境へ
CASE STUDY
ハナサカス株式会社 プロパティマネジメント部 部長 醍醐さん
ハナサカス株式会社は、「費用を抑えた東京生活の実現」をコンセプトに、家具・家電付きで初期費用を抑えられるシェアハウスを東京23区内に100棟ほど運営している企業です。駅から徒歩圏内の完全個室タイプのシェアハウスを提供されており、夢を追いかけている皆さんを応援されています。NEXT HEROの導入に込めた狙いと導入後の変化について、ハナサカス株式会社 プロパティマネジメント部 部長の醍醐さんにお話を伺いました。
NEXT HEROとは
全国に15,000以上ある就労継続支援事業所や、それらの事業所の利用者データ(得意な仕事や挑戦したい仕事など)を活用して、需要の高い市場向けにサービス開発および営業活動を行い、民間企業や自治体などからの仕事を最適に就労継続支援事業所に分配するプラットフォームサービスです。
社名 ハナサカス株式会社
業種 シェアハウスの運営・管理
従業員数 12人
課題
- シェアハウス清掃のクオリティ向上が求められている
- トラブル対応・備品の補充等に人的コストがかかっている
効果
- 丁寧な清掃で清掃のクオリティが向上
- 均一なクオリティを保ちながら、ハナサカスが運営する都内すべてのシェアハウスの清掃が可能に
シェアハウスの清掃クオリティ向上が早急に求められていた
導入の背景について教えてください。
醍醐さん
シェアハウスの清掃において、クオリティが低いことが課題でした。
例えば、清掃の仕上がりが納得のいくものでなかったり、非効率な清掃プランだったり、備品の補充等のトラブル発生時の対応が遅かったりと様々な部分で改善すべき点がありました。
特に清掃のクオリティについては一番課題に感じていました。一般的な清掃会社に依頼する場合、単価発注で1時間当たり○○○円という料金体系が多く、安価な料金で依頼すると清掃の質も下がってしまうためコスト削減が難しいうえに、清掃業務について前向きでない担当の方もいるため手抜き作業も発生していました。
クオリティを保ちながら、短時間で相当な軒数を清掃しなければいけないんですね。
醍醐さん
当社は東京23区内に100棟ほどシェアハウスを運営しており、週1回清掃を行っており、すべての物件を漏れなく清掃するには1日に何軒か回る必要があります。そのため、清掃会社に短時間で多くの物件を清掃してもらわなくてはいけない。ですが、クオリティを保たなければならない。そんな板挟みを感じながらも、どうにかしてまずは清掃のクオリティを向上し、入居者様にご満足いただけるサービスを提供したいと思い解決策を探していました。
ちょうどその時に障がい者雇用にも取り組みたいと考えていたところ、当社支店にVALT JAPAN代表の小野さんを紹介してもらい、障がい者等の就労困難者に特化した仕事受発注プラットフォームサービス「NEXT HERO」について話を伺いました。
いきなりシェアハウス全棟をNEXT HEROでの清掃に置き換えることに迷っていましたが、お話しを聞いているうちにメリットが多いと感じ、思い切って全棟NEXT HEROに清掃を依頼しようと決断しました。
急速に導入したことによる弊害は、ディレクターのサポートで改善。清掃クオリティの向上と均一化に成功
NEXT HEROの導入で、とくに重視されたポイントを教えてください。
醍醐さん
最優先の目的は「清掃のクオリティ向上」でした。東京23区内でも多くの就労継続支援事業所(以下、事業所)と提携しており、物件から距離が近い事業所で清掃業務を行っていただけることと、VALT JAPANのディレクターの業務・福祉サポート等の説明を伺うなかで丁寧に仕事をしてもらえると思い、サービスの信頼性も感じていました。
また、NEXT HEROを導入することで障がい等がある方たちの応援ができることも導入の後押しになりました。以前からSDGsや社会貢献は会社として果たすべきと考えており、業務の中で貢献できることがあればぜひ行いたいと思っていました。
導入前の不安はありましたか?
醍醐さん
障がいがある方や難病のワーカーさん(以下、ワーカーさん)にお仕事を依頼するのが初めてだったので、黙々と一生懸命仕事を行っていただけるのかなと思う反面、物件内で動揺して暴れてしまう等の行動をとってしまったときに入居者様がどう思われるのか不安でした。
しかし実際はまったくそういうことがなく、清掃業務中は事業所の職員さんのサポートがあるのでスムーズに仕事をしていただけています。
急速にNEXT HEROに切り替えていったことで生じた課題はありましたか?またそれをどのように解決しましたか?
醍醐さん
3か月かけてシェアハウス約100棟の清掃をNEXT HEROに移行していきました。だいたい1ヵ月で20~30棟ほど切り替えました。
正直、最初は備品の補充や清掃が不十分であると入居者様からご指摘がありました。
当初はフロー構築と同時にNEXT HEROの清掃に切り替えることになったことと、複数の事業所へ依頼していたため、事業所ごとに業務フローが異なりクオリティに差がでてしまいました。
ですが、トラブル発生時はVALT JAPANの小野代表や社員の方が現地でサポートいただけたので、大きなトラブルになることはありませんでした。
事業所ごとのクオリティ差を改善するため、VALT JAPANのディレクターが当社マニュアルをもとに事業所向けのマニュアル作成し、フロー構築を進めていただきました。
また、ワーカーさんや事業所の職員さんへの福祉的支援と作業支援の双方をサポートいただくことで徐々に清掃クオリティを改善・均一化させることができました。
1年ほどかけて現在の安定したフローができ、均一なクオリティで清掃を行っていただけるようになりました。
丁寧な清掃でトラブル対応や備品の補充不足が減少
導入後の変化について教えてください。
醍醐さん
プラットフォームであるNEXT HEROに窓口が集約されているので、トラブル対応や備品の補充不足が減少し、当社負担が軽減しました。
NEXT HERO導入前は3社の清掃業者に分散させて発注していましたが、連携等の問題でトラブル対応の遅れが生じていました。
補充品が補充されていない、清掃の仕上がりが不十分等のご指摘に対しては即座に対応しなければなりませんが、時には対応が2~3日後になってしまうことも。自社スタッフで対応することもあり、人的コストがかかっていました。
NEXT HEROだと補充の欠品があった時も素早く対応してもらえるのが助かっています。また、土日も対応してくれるのが嬉しいですね。
今は、主にシェアハウスの共有部にあたるキッチン、浴室、トイレ、リビング、廊下、玄関の清掃業務をお願いしています。
清掃単価は以前発注していた企業と同様ですが、単価以上の清掃をしていただいていると思いますし、実際に清掃現場も見学させていただきましたが、その時は2~3名で黙々と一生懸命作業いただいていました。ワーカーさんの管理を行う事業所の職員方も親身になって指示をしていたため、サービスの信頼性をより感じられました。
NEXT HEROを導入してもう2年経ちますが、現在は入居者様からのご指摘がほぼなくなり、安定して清掃いただいていると感じています。
清掃を通じてワーカーさんが経済的にも精神的にも豊かになれる環境を提供したい
最後に、NEXT HEROの導入に込めた想いをお聞かせください。
醍醐さん
今もこれからもワーカーさんはもちろん、事業所の職員さんにもハナサカスの仕事をやってよかったと思っていただけるような状態にしていきたいです。そして、ワーカーさんがやりがいや誇りを持って仕事をしていただけたらと思います。
以前、当社の清掃業務を始めてから賃金が向上し、一人暮らしができるようになった話を聞いて、とても嬉しく思いました。ワーカーさんが楽しく働けるかつ賃金が向上し、経済的にも精神的にも豊かになることは私たちにとっても大切なことです。
また、清掃業務は比較的習得しやすいため、仕事を通じてワーカーさんが自信を持てるきっかけになればいいなと思っています。
清掃は終わりがなく突き詰めようと思えば色々な方法を試すことができます。NEXT HEROに業務を委託するうえで、清掃用具等は比較的自由にご提案いただける環境を提供させていただいています。ワーカーさんには清掃方法や用具に関してぜひ自由な発想で工夫いただければと考えています。
業務では直接ワーカーさんとやり取りはしませんが、このような成果を残せているVALT JAPANさんとの取り組みは非常に価値があると感じています。
引き続きNEXT HEROがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。